ATS2013:関節リウマチによる間質性肺疾患の急性増悪のリスク因子
2013年 05月 20日

H. Hozumi, et al.
Incidence And Risk Factors Of Acute Exacerbation In Rheumatoid Arthritis-Associated Interstitial Lung Disease
ATS 2013, May 20, 2013,Thematic Poster Session
背景:
近年、呼吸器疾患の急性増悪は特発性肺線維症だけでなくほかの間質性肺疾患でも認知されている。たとえば関節リウマチによる間質性肺疾患(RA-ILD)でもそうである。
目的:
RA-ILDの患者における急性増悪の頻度とリスク因子を検証すること。
方法:
われわれは日本の浜松大学病院において、1995年から2012年までの間レトロスペクティブに51人連続したRA-ILD患者を同定した。患者の臨床データを抽出し、解析した。急性増悪は2007年のIPF-net軒順位基づいて診断された。全生存および急性増悪の頻度がKaplan-Meier法およびlog-rank testによって解析された。Cox比例ハザード回帰分析によって生存ステータスと急性増悪の発症との関連因子を同定した。
結果:
RA-ILD患者の中央年齢は62歳で、観察期間中央値は8.5年であった。11人(22%)が急性増悪を起こした。5年急性増悪発症率はUIPパターンで33%、非UIPパターンで3%だった(the log-rank test, p=0.018)。単変量解析ではILD診断時の年齢が高い場合(ハザード比1.11; P = 0.01)、HRCTでのUIPパターン(ハザード比 1.95; P = 0.03)、メトトレキサートによる治療(ハザード比 3.04; P = 0.001)がリスク因子であった。UIPパターンの5年生存率は70%で、非UIPパターンは97%だった(the log-rank test, p=0.04)。生存に対して、単変量解析では急性増悪はアウトカム不良の予測因子だった(ハザード比 2.47; P = 0.003)。
結論:
RA-ILD患者ではILD診断時に高齢であること、HRCTのUIPパターン、メトトレキサートによる治療は急性増悪発症のリスク因子である。RA-ILDの急性増悪は生存の予後不良因子である。
by otowelt
| 2013-05-20 23:15
| びまん性肺疾患