ATS2013:クライオプローブにおける診断能
2013年 05月 20日
ERSでもATSでもここ1,2年必ず発表されているテーマです。少なくとも2つの演題が発表されていました。2つ目の試験はなんだか評価項目が曖昧な気がしますが。
・ERS2012:気管支鏡cryoprobeでびまん性肺疾患の診断が可能に
・クライオプローブによる経気管支肺生検は、鉗子による経気管支肺生検と同等の安全性
V. Pajares, et al.
Diagnostic Yield Of Transbronchial Cryobiopsy In Diffuse Lung Disease: A Randomised Trial,
ATS 2013, May 20, 2013,Thematic Poster Session
概要:
クライオプローブによるびまん性肺疾患の診断能を通常の気管支鏡の鉗子と比較したランダム化比較試験である。75人のびまん性肺疾患患者に対して経気管支肺生検をおこない、ランダムにクライオプローブと通常鉗子に割り付けた。盲検化された2人の病理医によって組織診断がおこなわれ、合議によって確定診断をつけた。組織の大きさは平均±標準偏差でクライオプローブ14.9 ± 10.9 mm2、通常鉗子で3.2 ± 4.1 mm2だった(p < 0.001)。手技にかかった時間は両群とも同等であったが、VASスケールではややクライオプローブのほうが忍容性は高かった。クライオプローブのほうが通常鉗子による生検よりも病理学的診断がつきやすかった(73.7% vs 32.4%, p < 0.001)。出血は湯統計学的に有意差はなかったものの、クライオプローブのほうが多かった(59.5% vs 35.1%)。気胸はクラオプローブのほうがやや多かった(7.9% vs 5.4%)。
S. Barril,, et al.
Is Transbronchial Lung Biopsy Using Cryoprobes Useful In The Management Of Diffuse Lung Disease?,
ATS 2013, May 20, 2013,Thematic Poster Session
概要:
本試験はびまん性肺疾患の診断において通常鉗子とクライオプローブ(Erbokryo® CA, Ref: 20426-032)を比較したランダム化比較試験である。生検は”有用”であるかどうか臨床的に判定され、臨床的介入としては薬剤処方、診断による治療中止、アレルゲンやその他の有害なものからの回避の3種類に分けられた。クライオプローブによるTBLBが有用であったと思われる患者は60.5%であり、通常鉗子(29.7%)より頻度が高かった(p = 0.011)。
by otowelt
| 2013-05-20 21:21
| 気管支鏡