ATS2013:血液検査を用いなくともLightの基準と同等の診断能が可能
2013年 05月 22日

C. Gotera Rivera, et al.
Trasudates And Exudates Pleural Effusion, Can Light's Criteria Be Modified?
ATS 2013, May 21, 2013, Poster Discussion
背景:
Lightの基準は1973年に確立されたが、漏出性胸水と滲出性胸水を鑑別するために有用であると考えら得ている。しかし血液検査と胸水検査を同時期に測定することは難しく、また心不全などで利尿薬を使用している場合には結果が曖昧になる。
目的:
1.Lightの基準の診断パフォーマンスを超えることができるような胸水生化学パラメータを同定する。
2.漏出性・滲出性胸水の鑑別のための生化学的パラメータを臨床診断が超えることができるかどうか検証する。
方法:
1993年から2011年10月までの間、2413人の連続した胸水患者を登録した。301人(12.8%)が漏出性であり、2098人(89.8%)が滲出性だった。全症例において2人の観察者によって検査前診断がつけられ、その後の生化学的パラメータと関連づけられた。生化学パラメータには、タンパク、LDH、コレステロール、中性脂肪、アルブミン、ADAが含まれ、胸水中と血清の双方から採取された。
結果:
301人が漏出性であり、111人が女性、190人が男性だった。平均年齢は71.16 ± 12.2歳だった。一方、2098人が滲出性であり、1324人が男性、774人が女性だった。平均年齢は64.19 ± 17.08歳だった。
結果は表に示す。検査前臨床診断はLightの基準と同等の感度と特異度であった。

結論:
・漏出性胸水と滲出性胸水の鑑別において、臨床診断はLightの基準と同等の感度と特異度をもたらす。
・検査前臨床診断と胸水生化学パラメータの組み合わせ(血液検査を含まない)は、Lightの基準と同等ないしはそれ以上の診断能をもたらす。
by otowelt
| 2013-05-22 01:37
| 呼吸器その他