ATS2013:ICUにおける非薬剤性のせん妄は予後不良

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S.B. Patel, et al.
Survival In Drug Related Versus Non-Drug Related Delirium
ATS 2013, May 22, Mini Symposium


概要:
 ICUにおけるせん妄は予後が悪いが、鎮静薬などの薬剤によるICUせん妄と薬剤に関連しないせん妄が同等の予後かどうかは不明である。そこでわれわれはクロスオーバー試験を102人の人工呼吸器を奏装着した患者でおこなった。せん妄のない患者、薬剤誘発性せん妄の患者、非薬剤性のせん妄の患者で人工呼吸器非装着期間は、25.4日、25.5日、12.6日(p<0.001)だった。ICU非在室期間はそれぞれ23.1日、23.9日、5.7日だった(p<0.001)。せん妄がない場合や薬剤性のせん妄の場合、在宅への退院が有意に多かった(p<0.001)。非薬剤性のせん妄における1年時の死亡率は有意に高かった(p<0.001)。ペアワイズ比較では、せん妄がない場合と薬剤性のせん妄の場合ではアウトカムに差がみられなかった。


by otowelt | 2013-05-23 01:18 | 集中治療

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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