
全文が読めないので詳しくわかりませんが、限局性の気管支拡張症に対して外科手術が有効であるという報告です。肺分画症が含まれている点が気になります。
Reda E. Al-Refaie, et al.
Surgical treatment of bronchiectasis: a retrospective observational study of 138 patients
Journal of Thoracic Disease, in press, 2013.
背景:
われわれは気管支拡張症の症例を解析し、その臨床所見、疫学、診断、外科手術適応、手術アプローチ、アウトカムについて調べた。
方法:
われわれは気管支拡張症に対して手術をおこなわれた138人の患者をレトロスペクティブに同定した。
結果:
平均年齢は30.2±15.7歳で、55.8%が男性だった。症状は、すべての患者で咳嗽を伴う反復性感染がみられ、悪臭を伴う喀痰(79.7%)、血痰(22.5%)が多くみられた。小児期の反復性感染があったものが38.4%で、肺炎の既往29%、結核の既往9.4%、肺分画症の既往が4.3%にみられた。
胸部レントゲン、胸部CT、気管支鏡が全ての患者におこなわれていた。気管支拡張症は55.1%で左側にみられていた。下葉に限局していたものが50.7%、中葉あるいは舌区におよんでいたものは7.2%だった。
外科手術適応は、保存的治療の失敗が71.7%、血痰が15.9%、荒蕪肺が8%、肺分画症が4.3%。手術アプローチは、葉切除術が81.2%、両側葉切除術が8.7%、肺全摘術が8%だった。合併症は13%にみられたが手術関連死は観察されなかった。手術により84%の患者に症状の改善がみられた。
結論:
気管支拡張症に対する外科手術は限局している場合には有効な選択肢となりうる。適切な症状コントロールと良好なアウトカムのためには、適切な患者や切除部位の選択と準備が必要である。