LUX-Lung4試験:EGFR-TKI不応性の非小細胞肺癌に対するアファチニブの有効性
2013年 07月 20日

Nobuyuki Katakami, et al.
LUX-Lung 4: A Phase II Trial of Afatinib in Patients With Advanced Non–Small-Cell Lung Cancer Who Progressed During Prior Treatment With Erlotinib, Gefitinib, or Both
JCO, Published online before print July 1, 2013, doi: 10.1200/JCO.2012.45.0981
背景:
EGFRチロシンキナーゼ阻害薬のエルロチニブ、ゲフィチニブによる治療で不応となった非小細胞肺癌(NSCLC)の治療不応性の最も大きな原因であるT790M変異に対する有効な治療法は現在ない。不可逆性チロシンキナーゼであるアファチニブは、T790Mに対する活性が示唆されている。この試験において、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬への獲得耐性を持つ集団を対象にアファチニブの第2相試験を施行した。
方法:
前治療として1~2ラインの化学療法および12週間以上のエルロチニブまたはゲフィチニブ投与後に病勢進行が確認されたNSCLC患者に対して、1日1回アファチニブ50mgを経口で投与した。プライマリエンドポイントとして奏効率、セカンダリエンドポイントとして無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を設定した。EGFR変異の評価は、診断時または手術時の腫瘍組織およびアファチニブ投与直前に血清を採取した。
結果:
登録患者62人中、77%が女性、69%は非喫煙者、年齢中央値は65歳だった。45人(72.6%)はEGFR遺伝子変異陽性であった。

Waterfall plotは図の通り。

51人(82.3%)がエルロチニブおよびゲフィチニブの耐性基準を満たした。61人の評価可能な患者のうち、5人(8.2%、95%信頼区間2.7% to 18.1%)に客観的奏効がみられた。PFS中央値は4.4ヶ月(95%信頼区間2.8 to 4.6ヶ月)(A)、OS中央値は19.0ヶ月(95%信頼区間14.9ヶ月 to 到達せず)(B)だった。2人の患者にT790Mの獲得がみられた。

アファチニブの最もよくみられた副作用は、下痢(100%)、皮疹(91.9%)で、副作用のためアファチニブ継続不能になったのは18人(29%)だった。
結論:
EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に対して耐性を獲得した患者に対して、アファチニブは臨床的に効果がある。
by otowelt
| 2013-07-20 00:02
| 肺癌・その他腫瘍