膠原病による肺動脈性肺高血圧症に対してエンドセリン受容体拮抗薬は効果が弱いかもしれない
2013年 08月 26日

Kuwana M, et al.
Pulmonary arterial hypertension associated with connective tissue disease: meta-analysis of clinical trials.
BMJ Open. 2013 Aug 1;3(8). pii: e003113. doi: 10.1136/bmjopen-2013-003113.
目的および方法:
結合組織病(CTD)に合併した肺動脈性肺高血圧症(PAH)に関するスタディは少ない。そのため、適切なCTD-PAHの治療はいまだ確立されていない。
PAHの治療およびCTD-PAHの治療に関するデータを抽出し、前者19試験(3073人)、後者9試験(678人)のメタアナリシスをおこなった。評価項目はすべて6分間歩行距離による運動耐用能であった。
結果:
PAHの症例における平均年齢は32-55歳であり、女性は61-87%だった。CTD-PAHの症例における平均年齢は45-55歳で、女性は74-95%だった。
ホスホジエステラーゼ5阻害薬、プロスタサイクリンはいずれのPAH症例においても有意な効果がみられたが、エンドセリン受容体拮抗薬のみ、CTD-PAHには大きな改善をもたらさなかった。PAHとの比較で、ボセンタンは14.1 m (-4.4-32.6 m) vs 39.5 m (19.5-59.6 m)、アンブリセンタンは21.7 m (2.2-41.3 m) vs 44.2 m (30.2-58.2 m) とCTD-PAH症例ではあまり効果がみられなかった。
結論:
3系統いずれのPAH治療薬は効果的であった。しかしながら、エンドセリン受容体拮抗薬はCTD-PAHに対しては大きな効果はみられなかった。CTD-PAHに対するこれらの治療のさらなる試験が望まれる。
by otowelt
| 2013-08-26 00:30
| 膠原病