
Enomoto N, et al.
Amount of elastic fibers predicts prognosis of idiopathic pulmonary fibrosis
Respiratory Medicine, published online 03 September 2013.
背景:
弾性線維は線維組織を“かたく”するが、特発性肺線維症(IPF)の病態生理における役割は完全には調べられていない。この試験の目的は、IPFにおける弾性線維の臨床的重要性を同定することである。
方法:
われわれは外科的肺生検によってIPFと診断された43人の患者を登録した。組織学的検体はElastica Van Gieson染色され、デジタル画像が得られた(全文読んでいませんがおそらく病理デジタル画像)。デジタル画像上、(弾性線維を含むピクセル数)/(線維組織が占める数)でスコアを算出した(弾性線維スコア[%])。弾性線維スコア、臨床所見、放射線学的所見、病理学的所見、予後の関連性が探索された。
結果:
弾性線維スコアの中央値は10.9%(5.1–23.3%)だった。弾性線維スコアは、努力性肺活量(%予測値)と逆相関しており(r −0.451, p = 0.003)、12ヶ月の努力性肺活量の減少と相関していた(r −0.475, p = 0.033)。
さらに、弾性線維スコアはHRCTにおける線維化のひろがりと関連していた。高い弾性線維スコアは、スコアが低い患者と比較して有意にアウトカムを悪くした(5年生存率:48.7% vs. 84.0%, p = 0.024)。弾性線維スコアは予後不良の独立予測因子であった(ハザード比1.21, p = 0.005)。
結論:
線維組織における弾性線維の量は、IPF患者の予後指標である。