重症COPDの肺高血圧症に対してシルデナフィルを使用しても運動耐容能は改善しない
2013年 10月 21日

Isabel Blanco, et al.
Sildenafil to improve respiratory rehabilitation outcomes in COPD: a controlled trial
Eur Respir J. 2013;42:982-992.
背景:
肺高血圧は薬物治療が確立されていないCOPDの深刻な合併症である。この研究は肺動脈圧の上昇したCOPD患者にシルデナフィルを併用することで、呼吸リハビリテーションの結果がよりよくなるかどうかを検討したものである。
方法:
この二重盲検ランダム化比較試験では、患者は20mgのシルデナフィルあるいはプラセボを1日3回内服し、3ヶ月間の呼吸リハビリテーションを行った。プライマリエンドポイントは自転車での持続的運動負荷試験の結果とした。セカンダリエンドポイントは漸増運動試験パフォーマンス、6分間歩行距離、QOLとした。
結果:
中等度以上に肺動脈圧が上昇した重症COPD患者63人を登録し、ランダム化した。Cycle endurance timeはシルデナフィル群で149秒(95%信頼区間26-518秒)増加し、プラセボ群では169秒増加した(95%信頼区間0-768秒) (差の中間値は -7秒, 95%信頼区間-540–244秒; p=0.77)。この研究が終了した時点で、斬増運動試験、6分間歩行検査、生活の質について、両群間に差はなかった。動脈血液ガス分析の結果と有害事象は、両群ともほぼ同等であった。
結論:
中等度以上に肺動脈圧が上昇した重症COPD患者では、シルデナフィルを使用しても、運動耐容能が改善するということはなかった。
by otowelt
| 2013-10-21 06:38
| 気管支喘息・COPD