
John L. Johnson, et al.
Effect of Isoniazid Therapy for Latent Tuberculosis Infection on QuantiFERON-TB Gold In-tube Responses in Tuberculin Skin Test Positive Adults in a High Tuberculosis Incidence Area: A Controlled Study
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-1232
背景:
T細胞インターフェロンγ遊離アッセイ(IGRA)は、結核菌感染の診断に用いられており、潜在性結核感染(LTBI)の治療反応性バイオマーカーに有用である可能性が示唆されている。
方法:
HIV陰性でツベルクリン反応陽性の南アフリカの成人健常人82人におけるIGRAの反応性を調べたプロスペクティブ試験において、6ヶ月の1日1回のイソニアジド予防治療あるいは経過観察をおこなった群で比較した。クオンティフェロンゴールドインチューブ(QFT-GIT)アッセイによってベースラインおよびイソニアジド予防治療後、ないしは経過観察群のインターフェロンγ反応性を調べた。
結果:
登録した成人の平均年齢は26.6歳だった。ベースラインのQFT-GITは、イソニアジド予防治療群の39人中36人(92%)、経過観察群39人中37人(95%)が陽性で、全体のベースラインのインターフェロンγレベルは10 IU/mLだった。イソニアジド予防治療群の2人(5%)、経過観察群の2人(5%)がQFT-GIT陽性から陰性に転じた。
インターフェロンγレベルはベースラインからイソニアジド予防治療終了時にかけて減少し(p ≤ 0.0001)、経過観察群においてもベースラインから減少した(p = 0.03)。これら2群での当該減少について統計学的な差はみられなかった(Wilcoxon-Mann-Whitney test; p = 0.31)。治療終了時のインターフェロンγレベルは5.1 IU/mLだった。
結論:
結核蔓延地域におけるツベルクリン反応が陽性の人では、イソニアジドの予防治療はQFT-GITの結果に変化を与えないと考えられる。QFT-GITはLTBIの治療反応性バイオマーカーには有用ではないだろう。