ドルテグラビル+アバカビル/ラミブジンはHIV-1治療薬として安全かつ有効
2013年 11月 20日

Sharon L. Walmsley, et al.
Dolutegravir plus Abacavir–Lamivudine for the Treatment of HIV-1 Infection
N Engl J Med 2013; 369:1807-1818
背景:
1日1回でブーストなしの投与が可能なインテグラーゼ阻害薬ドルテグラビル(S/GSK1349572)は、他の抗レトロウイルス薬と併用して用いるHIV-1の治療薬としてアメリカで承認された。ドルテグラビルをアバカビル/ラミブジンと併用すると、治療レジメンが簡略化できるかもしれない。
方法:
HIV-1感染への治療歴がなく、HIV-1のRNAが1000コピー/mL以上の成人を対象としたランダム化二重盲検第試験を行った。患者をドルテグラビル50mg+アバカビル/ラミブジン1日1回投与する群(DTG/ABC/3TC群)、エファビレンツ/テノホビル/エムトリシタビンを1日1回投与する群(EFV/TDF/FTC 群)にランダムに割り付けた。プライマリエンドポイントは48週時にHIV-1のRNAが50コピー/mL未満だった患者の割合とした。セカンダリエンドポイントは、ウイルス抑制までの期間、CD4+T細胞数のベースラインからの変化、安全性、ウイルスの耐性など。
結果:
合計833人が試験薬の投与を1回以上受けた。48週時にHIV-1のRNAが50コピー/mL 未満であった患者の割合は、DTG/ABC/3TC群の方がEFV/TDF/FTC群よりも有意に高く(88% vs. 81%、P=0.003)、優越性の基準を満たした。DTG/ABC/3TC群においては、EFV/TDF/FTC群と比べるとウイルス抑制までの期間の中央値が短く(28日 vs. 84 日、P<0.001)、CD4+T細胞数の増加が大きかった(267/mm3 vs. 208/mm3、P<0.001)。
有害事象のために治療を中止した患者は、DTG/ABC/3TC群の方がEFV/TDF/FTC群より少なかった(2% vs. 10%)。EFV/TDF/FTC群においては発疹、神経精神症状が多かった。DTG/ABC/3TC群では不眠が多かった。
DTG/ABC/3TC群で抗ウイルス薬の耐性は検出されなかったものの、EFV/TDF/FTC群でウイルス学的治療失敗患者において、テノホビル関連耐性変異1例、エファビレンツ関連耐性変異4例が検出された。
結論:
ドルテグラビル+アバカビル/ラミブジンは、エファビレンツ/テノホビル/エムトリシタビンを用いるレジメンと比べ、48週間の安全性プロファイルが良好で、高い有効性が得られた。
by otowelt
| 2013-11-20 00:13
| 感染症全般