肺結核患者におけるリファンピシンの血清濃度は低い
2013年 11月 22日

・結核診療で使用されているリファンピシンの用量は少なすぎる
・ATS2013:リファンピシンの妥当な用量は?
F. Fahimi, et al.
Isoniazid, rifampicin and pyrazinamide plasma concentrations 2 and 6 h post dose in patients with pulmonary tuberculosis
The International Journal of Tuberculosis and Lung Disease, Volume 17, Number 12, 1 December 2013 , pp. 1602-1606(5)
背景:
抗結核薬の濃度が低くなると、薬剤耐性や治療失敗が起こりうる。
目的:
抗結核薬の血清濃度低値の頻度を調べること。
方法:
この研究はイランのテヘランの病院において60人の肺結核患者で行われた。薬剤濃度はイソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド投与後2時間および6時間後のデータを用いて測定された。血清薬剤濃度、治療期間、年齢、性別、肝逸脱酵素値、薬剤投与量、喫煙歴について評価した。
結果:
本研究には60人の患者が登録された。平均年齢(±標準偏差)は54.2歳(±20.9歳)で、39人が女性だった。イソニアジドの用量中央値は275mg/日(IQR250–300)、リファンピシンは600mg/日(IQR450–600)、ピラジナミドは1000mg/日(IQR1000-1000)だった。
イソニアジド、リファンピシン、ピラジナミドの血清薬剤ピーク濃度(Cmax)中央値はそれぞれ2.5μg/mL、4.0μg/mL、43.6μg/mLであった。またそれぞれの49.1%、92.5%、8.7%の患者が低濃度であった。
結論:
ほとんどの患者においてリファンピシンの血清濃度は標的濃度よりも低いことが示唆された。その一方でピラジナミドは標的範囲におさまった。
by otowelt
| 2013-11-22 00:47
| 抗酸菌感染症