気管支喘息に対するICS/LABAはICS単独と比較して入院リスクを上昇させず
2013年 12月 12日
気管支喘息に対するLABAの使用にはまだまだ議論の余地がありますが、ICSにLABAを加えても気管支喘息の入院リスクを上昇させるわけではない(LABAの追加は安全である)という観点の論文です。
Mohsen Sadatsafavi, et al.
Dispensation of long-acting β agonists with or without inhaled corticosteroids, and risk of asthma-related hospitalisation: a population-based study
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2013-203998
背景:
気管支喘息のマネジメントにおいて吸入ステロイド薬(ICS)に、長時間作用型β2刺激薬(LABA) を加える意義については広く議論されている。われわれはICSあるいはLABAの単独管理が行われている患者と比較してICS+LABAの管理が行われている患者の気管支喘息関連入院リスクを評価した。
方法:
1997年から2012年までの医療データベースによって、気管支喘息コホートの症例対照解析を行った。当該症例はコホート登録後1年間、気管支喘息による入院歴がある患者とした。症例ごとに、年齢、性別、コホート登録日、気管支喘息重症度をマッチさせた20症例をコントロールとして登録した。患者は、ICS単独、LABA単独、ICS+LABAに対して定期的な曝露、不定期の曝露、非曝露、に分類した。プライマリアウトカムは定期的な吸入薬への曝露による気管支喘息に関連した入院のリスク比とした。
結果:
3319人の気管支喘息患者とマッチされた43023人のコントロールが登録された。ICSの単独使用と比較したICS+LABAの定期的使用による入院リスク比は1.14(95%信頼区間0.93~1.41)で、LABAの単独使用と比較したICS+LABAの定期的使用による入院リスク比は0.45(95%信頼区間0.29~0.70)だった。 (文献より引用)
結論:
ICS単独使用と比較して、ICS+LABAの定期的使用は気管支喘息に関連した入院リスクを上昇させなかった。ICS+LABAの定期使用をしている患者におけるICSのアドヒアランスは気管支喘息関連アウトカム不良を予防する上で重要な因子かもしれない。
Mohsen Sadatsafavi, et al.
Dispensation of long-acting β agonists with or without inhaled corticosteroids, and risk of asthma-related hospitalisation: a population-based study
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2013-203998
背景:
気管支喘息のマネジメントにおいて吸入ステロイド薬(ICS)に、長時間作用型β2刺激薬(LABA) を加える意義については広く議論されている。われわれはICSあるいはLABAの単独管理が行われている患者と比較してICS+LABAの管理が行われている患者の気管支喘息関連入院リスクを評価した。
方法:
1997年から2012年までの医療データベースによって、気管支喘息コホートの症例対照解析を行った。当該症例はコホート登録後1年間、気管支喘息による入院歴がある患者とした。症例ごとに、年齢、性別、コホート登録日、気管支喘息重症度をマッチさせた20症例をコントロールとして登録した。患者は、ICS単独、LABA単独、ICS+LABAに対して定期的な曝露、不定期の曝露、非曝露、に分類した。プライマリアウトカムは定期的な吸入薬への曝露による気管支喘息に関連した入院のリスク比とした。
結果:
3319人の気管支喘息患者とマッチされた43023人のコントロールが登録された。ICSの単独使用と比較したICS+LABAの定期的使用による入院リスク比は1.14(95%信頼区間0.93~1.41)で、LABAの単独使用と比較したICS+LABAの定期的使用による入院リスク比は0.45(95%信頼区間0.29~0.70)だった。
結論:
ICS単独使用と比較して、ICS+LABAの定期的使用は気管支喘息に関連した入院リスクを上昇させなかった。ICS+LABAの定期使用をしている患者におけるICSのアドヒアランスは気管支喘息関連アウトカム不良を予防する上で重要な因子かもしれない。
by otowelt
| 2013-12-12 00:13
| 気管支喘息・COPD