臨床実習に出席しない医学生は試験に落ちるかも
2013年 12月 05日
日本の臨床実習は“放置プレイ”のような大学や診療科もまれにありますので、一概に出席率が成績に結びついているとは言えないかもしれませんね。
Richard P. Deane, et al.
Student Attendance and Academic Performance in Undergraduate Obstetrics/Gynecology Clinical Rotations
JAMA. 2013;310(21):2282-2288.
背景:
医学生の出席率は、医学部教育におけるパフォーマンスの重要因子である。加えて、医学教育者の監督、方針、経済面にも影響を与える。しかしながら、臨床教育現場においてこの関連はよくわかっていない。
目的:
産婦人科の臨床実習ローテーションに来た医学生の出席率と教育パフォーマンスを評価すること。
方法:
アイルランドのダブリンにある教育病院において、2011年9月から2012年6月までの間、臨床実習やチュートリアルの医学生の出席率についてプロスペクティブコホート試験を実施して調べた。医学生は64の活動に出席するよう求められた(26が臨床実習、38がチュートリアル)。しかし、出席そのものは強制ではなかった。8週間の産婦人科ローテーションを合計147人の医学部4年生が完遂した。
評価は200点満点の試験を行った。11ステーションのOSCE(40点)、年度末の筆記試験(マルチプルチョイス、40点)、6つの簡略口頭試問(40点)、年度末の臨床/口頭試験(80点)。医学生は全体で50%の点数である100点を得ることが必須条件で、最低でも臨床/口頭試験で50%である40点を獲得しなければならない。
結果:
医学生の平均出席率は89%だった(39%-100%、標準偏差11%)。男性(出席者の84%)および過去に年度末試験に落ちた経験のある医学生(出席者の84%)は有意に出席率が低かった。出席率と試験点数には正の相関がみられた(r = 0.59 [95%信頼区間0.44-0.70]; P < .001)。臨床実習の出席率(r = 0.50 [95%信頼区間0.32-0.64]; P < .001)およびチュートリアルの出席率(r = 0.57 [95%信頼区間0.40-0.70]; P < .001)のいずれもが試験点数と正の相関がみられた。この関連性は、医学生の性別、年齢、出身地、過去の年度末試験の落第既往、ローテーションの時期で補正を行っても同様だった。 (文献より引用)
総合得点60点以上のdistinction gradeを獲得したのは出席率が80%以上の医学生のみだった。出席率が10%増加するごとにdistinction gradeのオッズ比も上昇した(補正オッズ比5.52; 95%信頼区間2.17-14.00)。また、不合格であった10人中6人は出席率が80%以下だった。主席率が80%以上の場合、試験の不合格の補正オッズ比は0.11(95%信頼区間0.02-0.72)だった。
結論:
8週間の産婦人科臨床実習ローテーションをおこなった医学部4年生において、臨床実習、チュートリアルの出席率は試験点数と正の相関がみられた。
Richard P. Deane, et al.
Student Attendance and Academic Performance in Undergraduate Obstetrics/Gynecology Clinical Rotations
JAMA. 2013;310(21):2282-2288.
背景:
医学生の出席率は、医学部教育におけるパフォーマンスの重要因子である。加えて、医学教育者の監督、方針、経済面にも影響を与える。しかしながら、臨床教育現場においてこの関連はよくわかっていない。
目的:
産婦人科の臨床実習ローテーションに来た医学生の出席率と教育パフォーマンスを評価すること。
方法:
アイルランドのダブリンにある教育病院において、2011年9月から2012年6月までの間、臨床実習やチュートリアルの医学生の出席率についてプロスペクティブコホート試験を実施して調べた。医学生は64の活動に出席するよう求められた(26が臨床実習、38がチュートリアル)。しかし、出席そのものは強制ではなかった。8週間の産婦人科ローテーションを合計147人の医学部4年生が完遂した。
評価は200点満点の試験を行った。11ステーションのOSCE(40点)、年度末の筆記試験(マルチプルチョイス、40点)、6つの簡略口頭試問(40点)、年度末の臨床/口頭試験(80点)。医学生は全体で50%の点数である100点を得ることが必須条件で、最低でも臨床/口頭試験で50%である40点を獲得しなければならない。
結果:
医学生の平均出席率は89%だった(39%-100%、標準偏差11%)。男性(出席者の84%)および過去に年度末試験に落ちた経験のある医学生(出席者の84%)は有意に出席率が低かった。出席率と試験点数には正の相関がみられた(r = 0.59 [95%信頼区間0.44-0.70]; P < .001)。臨床実習の出席率(r = 0.50 [95%信頼区間0.32-0.64]; P < .001)およびチュートリアルの出席率(r = 0.57 [95%信頼区間0.40-0.70]; P < .001)のいずれもが試験点数と正の相関がみられた。この関連性は、医学生の性別、年齢、出身地、過去の年度末試験の落第既往、ローテーションの時期で補正を行っても同様だった。
総合得点60点以上のdistinction gradeを獲得したのは出席率が80%以上の医学生のみだった。出席率が10%増加するごとにdistinction gradeのオッズ比も上昇した(補正オッズ比5.52; 95%信頼区間2.17-14.00)。また、不合格であった10人中6人は出席率が80%以下だった。主席率が80%以上の場合、試験の不合格の補正オッズ比は0.11(95%信頼区間0.02-0.72)だった。
結論:
8週間の産婦人科臨床実習ローテーションをおこなった医学部4年生において、臨床実習、チュートリアルの出席率は試験点数と正の相関がみられた。
by otowelt
| 2013-12-05 00:42
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