血気胸の原因となりうる肺尖部索状癒着は胸部CTによって同定可能
2013年 12月 12日

幸大輔ら.
自然気胸における肺尖部索状癒着のCTによる検出能評価―新しい手術適応の提案
日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 27 (2013) No. 7 p. 794-798
目的:
自然気胸における肺尖部の索状癒着は血気胸を生じる危険性がある.これをCTでどれほど検出できるか検討した.
対象と方法:
2005年1月から2012年12月まで,当院で胸腔鏡手術を行った本人申告初発自然気胸154例に対し,MPRも併用し,胸部CTによる索状癒着の検出を試みた.
結果:
154例中,索状癒着が指摘された症例は31例で,全例胸腔鏡でも索状癒着を確認した.一方,残る123例は指摘出来なかったが,その内4例に術中に索状癒着を確認した.結局,154例中35例(22.7%)に索状癒着が存在し,その35例中31例(88.6%)はCTで検出可能であった.

結語:
肺尖部索状癒着は血気胸の原因となるため,これを認める症例は初発再発に関係なく手術適応としても良いと考える.CTはそのようなリスクを有する症例の約90%を検出でき有用であった.
by otowelt
| 2013-12-12 13:53
| 呼吸器その他