LABAの長期使用による気管支保護作用の消失にはADRB2 Arg16Glyポリモルフィズムは関連せず
2013年 12月 27日
LABAの効果とFENOの関連については注目されていますね。
Matteo Bonini, et al.
Loss of Salmeterol Bronchoprotection against Exercise in Relation to ADRB2 Arg16Gly Polymorphism and Exhaled Nitric Oxide
Am J Respir Crit Care Med Vol 188, Iss. 12, pp 1407–1412, Dec 15, 2013
背景:
β2刺激薬は運動誘発性気管支攣縮(EIB)の治療に用いられ、特異的な受容体(ADRB2)を介して作用する。Arg16Glyポリモルフィズムはβ2刺激薬の定期使用の効果に影響を与えている。
目的:
EIBにおけるサルメテロールの気管支保護作用について、Arg16Glyポリモルフィズムが与える影響を評価し、気管支保護予測因子をアセスメントした。
方法:
プロスペクティブジェノタイプ盲検下ランダム化比較試験が行われ、26人のEIB患者が登録された(12人: Arg16Arg、14人:Gly16Gly)。被験者はサルメテロールを2週間にわたって50μg1日2回投与され、初日と14日後に吸入9時間後の運動を課した。気管支保護作用の消失:loss of bronchoprotection(LOB)と関連して、ジェノタイプ、一秒量、サルメテロールの反応性、EIBの程度、FENOが調べられた。 (文献より引用)
最大一秒量低下、および気管支保護作用の定義は以下の計算式で求めるものとする。 (文献より引用)
結果:
導入期間(run-in period)における最大一秒量低下は27.9±1.4%で、最初のサルメテロール使用時で8.1 ± 1.2%、2週間後で22.8 ± 3.2%だった(P=0.0001)。Arg16GlyポリモルフィズムはLOBと関連していなかった。
ベースラインのFENOは有意にLOBと関連していた(r=0.47; P=0.01)。FENOが50ppbを超える患者のLOBは74 ± 13% だったが、FENOが25ppb未満の患者の気管支保護作用は7 ± 16%増加した。 (文献より引用)
結論:
慢性的な長時間作用型β2刺激薬の使用によって起こるLOBはADRB2 Arg16Glyポリモルフィズムに影響されなかった。高いFENOはLOBと関連していた。FENOの減少を達成しない状態で長時間作用型β2刺激薬を使用することは避けた方がいいかもしれない。
Matteo Bonini, et al.
Loss of Salmeterol Bronchoprotection against Exercise in Relation to ADRB2 Arg16Gly Polymorphism and Exhaled Nitric Oxide
Am J Respir Crit Care Med Vol 188, Iss. 12, pp 1407–1412, Dec 15, 2013
背景:
β2刺激薬は運動誘発性気管支攣縮(EIB)の治療に用いられ、特異的な受容体(ADRB2)を介して作用する。Arg16Glyポリモルフィズムはβ2刺激薬の定期使用の効果に影響を与えている。
目的:
EIBにおけるサルメテロールの気管支保護作用について、Arg16Glyポリモルフィズムが与える影響を評価し、気管支保護予測因子をアセスメントした。
方法:
プロスペクティブジェノタイプ盲検下ランダム化比較試験が行われ、26人のEIB患者が登録された(12人: Arg16Arg、14人:Gly16Gly)。被験者はサルメテロールを2週間にわたって50μg1日2回投与され、初日と14日後に吸入9時間後の運動を課した。気管支保護作用の消失:loss of bronchoprotection(LOB)と関連して、ジェノタイプ、一秒量、サルメテロールの反応性、EIBの程度、FENOが調べられた。
最大一秒量低下、および気管支保護作用の定義は以下の計算式で求めるものとする。
結果:
導入期間(run-in period)における最大一秒量低下は27.9±1.4%で、最初のサルメテロール使用時で8.1 ± 1.2%、2週間後で22.8 ± 3.2%だった(P=0.0001)。Arg16GlyポリモルフィズムはLOBと関連していなかった。
ベースラインのFENOは有意にLOBと関連していた(r=0.47; P=0.01)。FENOが50ppbを超える患者のLOBは74 ± 13% だったが、FENOが25ppb未満の患者の気管支保護作用は7 ± 16%増加した。
結論:
慢性的な長時間作用型β2刺激薬の使用によって起こるLOBはADRB2 Arg16Glyポリモルフィズムに影響されなかった。高いFENOはLOBと関連していた。FENOの減少を達成しない状態で長時間作用型β2刺激薬を使用することは避けた方がいいかもしれない。
by otowelt
| 2013-12-27 12:00
| 気管支喘息・COPD