市中肺炎患者において結核感染を予測する因子
2014年 01月 13日

Rodrigo Cavallazzi, et al.
Predicting Mycobacterium tuberculosis in patients with community-acquired pneumonia
ERJ January 1, 2014 vol. 43 no. 1 178-184
背景:
市中肺炎で入院した患者では、CDCが提唱する結核のリスク因子(0点から20点までのリスクスコア)について評価されていない。われわれはこれらの患者における結核菌の感染を予測するリスク因子を調べた。われわれの知る限りでは、これはリスク因子を分析し発展させた最初のスコアである。
方法:
この研究は市中肺炎で入院した6976人の患者を解析したものである。Poisson回帰を用いて、われわれは結核菌による市中肺炎の存在を最も予測するリスク因子を選択した。ROC曲線を用いてCDCのリスク因子と比較された。
結果:
5つのリスク因子が最も結核菌による市中肺炎を予測することがわかった。すなわち、盗汗、血痰、体重減少、結核菌の曝露、上葉の浸潤の5つである。

本研究のCommunity-Acquired Pneumonia OrganizationのリスクスコアのROC曲線下面積は、0.89(95%信頼区間0.85–0.93; p<0.001)であり、CDCのリスクスコア(0.71、95%信頼区間0.64–0.78; p<0.001)よりも有意に高かった。

結論:
市中肺炎で入院した患者における結核菌の存在を予測するにはCDCの提唱するリスク因子は予測能が不良だった。この研究で同定した5つのリスク因子を用いた場合、入院時の結核菌による市中肺炎のリスク患者を同定する能力に優れている。
by otowelt
| 2014-01-13 00:55
| 抗酸菌感染症