ICU看護師の職場環境が良質であれば患者の死亡率は低下する
2014年 01月 14日

Kelly, Deena M, et al.
Impact of Critical Care Nursing on 30-Day Mortality of Mechanically Ventilated Older Adults
Critical Care Medicine, in press.
目的:
ICUにおいて人工呼吸器を装着されている高齢成人患者の死亡率は高い。看護スタッフ、看護教育、看護師の職場環境と一般的な外科手技後の死亡率には関連があるとされている。看護ケアにおけるICUの際立った特徴を実践するには多くの投資を必要とする。この研究の目的はスタッフ配置の特性、職場環境、教育、経験といったICU看護様式が患者の死亡率に関連しているかどうかを調べ、患者アウトカムを改善させるための潜在的戦略を解き明かすことである。
デザイン・方法:
アメリカの多州にわたる2006年から2008年の間の病院間連携看護サーベイデータを用いた研究である。患者、病院、主治医の特性の補正前後において、ICU患者の30日死亡率に対して看護がおよぼす影響を調べた。カリフォルニア州、フロリダ州、ニュージャージー州、ペンシルヴァニア州における330床が本研究の解析対象となった。登録患者は55159人の人工呼吸器を装着した高齢成人患者である。
結果:
ICUにおいて良質な看護師職場環境にある患者は30日死亡率が劣悪な看護職場環境にある患者よりも11%低かった(職場環境は31におよぶ質問を看護師におこない、複合スコアを算出:項目はスタッフ配置やリソースの妥当性、看護マネージャーの能力、リーダーシップなど)。
加えて、学士号のあるICU看護師が10%増加すると、30日死亡率のオッズが2%減少した。

結論:
集中治療における看護師の職場環境が良質である場合や学士号を持つ集中治療看護師の比率が高い場合、ICU患者の死亡オッズは有意に低下する。
by otowelt
| 2014-01-14 00:42
| 集中治療