癌のスマホアプリの有用性は不明
2014年 01月 22日

Jacqueline Lorene Bender, et al.
A Lot of Action, But Not in the Right Direction: Systematic Review and Content Analysis of Smartphone Applications for the Prevention, Detection, and Management of Cancer
J Med Internet Res 2013;15(12):e287
背景:
携帯電話は広く普及し、健康管理にも有用である。しかしながら、癌についてのスマートフォン(スマホ)のアプリケーション(アプリ)の有用性はよくわかっていない。
目的:
この研究の目的は、癌に焦点を当てたスマホアプリを一般の人々が利用することの有用性と効果を調べることである。
方法:
主要なスマホ(iPhone, Android, Nokia, BlackBerry)に関連した公式アプリケーションストアの商品についてのシステマティックレビューを実施した。アプリは一般の人が使用可能な癌に関連したものとした。MEDLINE、Embase、Cochrane Libraryからこれについて利用可能なデータを抽出した。
結果:
295のスマホアプリが適格基準を満たした。ほとんどのアプリは乳癌に関連したもので(46.8%, 138/295)、一般的な癌に関するものがそれに次いだ(28.5%, 84/295)。

アプリの目的は、癌についての啓蒙的内容(癌を気付かせる)が多く(32.2%, 95/295)、癌に関する教育的なもの(26.4%, 78/295)、募金を奨励するもの(12.9%, 38/295)、早期発見を助けるもの(11.5%, 34/295)、慈善事業推進(10.2%, 30/295)、疾患マネジメントを支援するもの(3.7%, 11/295)、癌の予防(2.0%, 6/295)、社会的支援(1.0%, 3/295)といったものだった。
ほとんどのアプリが関連企業について記載がなかった(64.1%, 189/295)。非営利企業によるアプリは無料である傾向が強く(χ21=16.3, P<.001)、募金を奨励する傾向が強かった(χ22=13.3, P=.001)。
現時点で、これらアプリの有用性・客観的評価については不明と言わざるを得ない。
結論:
癌に焦点を当てたスマホアプリは何百と存在するが、その有用性と効果については現時点では不明である。
by otowelt
| 2014-01-22 00:50
| 肺癌・その他腫瘍