
Kim HR, et al.
Prediction for response duration to epidermal growth factor receptor-tyrosine kinase inhibitors in EGFR mutated never smoker lung adenocarcinoma.
Lung Cancer. 2014 Jan 3. pii: S0169-5002(13)00581-3.
目的:
EGFR遺伝子変異がある非小細胞肺癌(NSCLC)の患者では、20~30%未満ではあるがEGFR-TKIに対するde novo耐性が報告されている。この研究は、EGFRの下流領域の変異がEGFR陽性の患者に対するde novo耐性に関連しているかどうか調べたものである。
方法:
68人のEGFR遺伝子変異が陽性の非喫煙者腺癌の患者を登録し、EGFR-TKIによって治療を受けた55人を解析した。われわれは同時にEGFR遺伝子下流領域にあるPIK3CA, PTEN, AKT, STK11変異を調べた。これらはPCRベースのスクリーニング法で検索された。
結果:
PIK3CA変異は68人中3人(4.4%)でみられ、PTEN変異は11人(16.1%)、AKT変異は4人(5.9%)、SKT11変異は9人(13.2%)に観察された。exon 21 L858Rのある1人の患者において、T790M変異がEGFRに観察された。EGFR下流領域の変異は合計22人(32.4%)にみられた。
EGFR-TKIで治療された55人の患者を解析したところ、EGFR下流領域に変異がある場合、EGFR-TKIに対する奏効率が不良であった(63.6 vs.14.5%, P<0.0001)。また、無増悪生存期間の短縮(12.0 vs. 3.0ヶ月, P=0.060)にも関与していた。
結論:
非喫煙者の肺腺癌患者において、EGFR下流領域の変異はEGFR-TKIに対する耐性を惹起し、治療効果を不良にさせるかもしれない。