鞭虫感染に対するオキサンテルとアルベンダゾールの併用投与は標準治療より有効
2014年 02月 20日
呼吸器科で出合う寄生虫感染の多くは回虫症で、個人的にはそれ以外経験したことがありません。
Benjamin Speich, et al.
Oxantel Pamoate–Albendazole for Trichuris trichiura Infection
N Engl J Med 2014; 370:610-620February 13, 2014
背景:
世界的に土壌伝播蠕虫(回虫:Ascaris lumbricoides、鉤虫、鞭虫:Trichuris trichiura)感染が拡大しており、これらは同時に感染することが多いとされている。これらの寄生虫感染は、通常アルベンダゾールやメベンダゾールによって治療されるものの、いずれも鞭虫に対する有効性は高くない。また、アルベンダゾールは鉤虫に対する第一選択薬である。
方法:
タンザニア・ペンバ島で施行した二重盲検試験において、6~14歳の小児を次の4治療のいずれかにランダムに割り付けた。すなわち、オキサンテルパモ酸塩20mg/kg+アルベンダゾール400mg 2日間、オキサンテルパモ酸塩20mg/kg単回、アルベンダゾール400mg単回、メベンダゾール500mg単回である。オキサンテルとアルベンダゾールの併用の有効性・安全性プロファイルを、鞭虫感染の治療に用いた場合や土壌伝播蠕虫同時感染の治療に用いた場合について評価。有効性は、感染症治癒率と虫卵の減少率をみた。
結果:
合計458人から完全なデータが得られた。450例が鞭虫、443例が鉤虫、293例が回虫に感染した。オキサンテル+アルベンダゾール群の鞭虫感染の治癒率はメベンダゾール群よりも有意に高かった(31.2% vs. 11.8%、P=0.001)。また、虫卵減少率も同様であった(96.0%、95%信頼区間93.5~97.6 vs. 75.0%、95%信頼区間64.2~82.0)。アルベンダゾール単剤群の治癒率と虫卵減少率は、メベンダゾール群よりも有意に低かった(P=0.02)。また、オキサンテル単剤群は、鉤虫と回虫に対する有効性が低かった。
結論:
鞭虫感染に対するオキサンテルとアルベンダゾールの併用投与によって、標準治療と比べ高い治癒率および虫卵減少率が達成できた。
Benjamin Speich, et al.
Oxantel Pamoate–Albendazole for Trichuris trichiura Infection
N Engl J Med 2014; 370:610-620February 13, 2014
背景:
世界的に土壌伝播蠕虫(回虫:Ascaris lumbricoides、鉤虫、鞭虫:Trichuris trichiura)感染が拡大しており、これらは同時に感染することが多いとされている。これらの寄生虫感染は、通常アルベンダゾールやメベンダゾールによって治療されるものの、いずれも鞭虫に対する有効性は高くない。また、アルベンダゾールは鉤虫に対する第一選択薬である。
方法:
タンザニア・ペンバ島で施行した二重盲検試験において、6~14歳の小児を次の4治療のいずれかにランダムに割り付けた。すなわち、オキサンテルパモ酸塩20mg/kg+アルベンダゾール400mg 2日間、オキサンテルパモ酸塩20mg/kg単回、アルベンダゾール400mg単回、メベンダゾール500mg単回である。オキサンテルとアルベンダゾールの併用の有効性・安全性プロファイルを、鞭虫感染の治療に用いた場合や土壌伝播蠕虫同時感染の治療に用いた場合について評価。有効性は、感染症治癒率と虫卵の減少率をみた。
結果:
合計458人から完全なデータが得られた。450例が鞭虫、443例が鉤虫、293例が回虫に感染した。オキサンテル+アルベンダゾール群の鞭虫感染の治癒率はメベンダゾール群よりも有意に高かった(31.2% vs. 11.8%、P=0.001)。また、虫卵減少率も同様であった(96.0%、95%信頼区間93.5~97.6 vs. 75.0%、95%信頼区間64.2~82.0)。アルベンダゾール単剤群の治癒率と虫卵減少率は、メベンダゾール群よりも有意に低かった(P=0.02)。また、オキサンテル単剤群は、鉤虫と回虫に対する有効性が低かった。
結論:
鞭虫感染に対するオキサンテルとアルベンダゾールの併用投与によって、標準治療と比べ高い治癒率および虫卵減少率が達成できた。
by otowelt
| 2014-02-20 00:15
| 感染症全般