
Annunziata Faustini, et al.
Nitrogen dioxide and mortality: review and meta-analysis of long-term studies
ERJ February 20, 2014 erj01147-2013
背景:
大気中の二酸化窒素(NO2)はいくつかの疫学的研究によって死亡率の上昇と関連していると言われているが、NO2が直接的に健康被害をもたらすのかどうか、あるいは浮遊粒子状物質などの他の大気汚染物質の指標に過ぎないのか、よくわかっていない。このレビューの目的は、NO2が死亡率にもたらす長期的影響の要約推定量を報告することである。
方法:
われわれは2004年から2013年の間にNO2・浮遊粒子状物質と死亡率の関連性を評価した23の研究を調べた。また、ランダム効果モデルによるメタアナリシスを19の研究で施行した。
結果:
年間の平均NO2はアジアでは41.6μg/m3、北アメリカで42.2μg/m3、ヨーロッパで36.2μg/m3であった。
年間NO2が10 μg/m3増えることによる、死亡率に対するpooled effectは相対リスク1.04 (95%信頼区間1.02–1.06)であり、PM2.5のpooled effectは1.05(95%信頼区間1.01–1.09)であった。


心血管系死亡率への効果は、同様にNO2において1.13 (95%信頼区間1.09–1.18)、PM2.5において1.20 (95%信頼区間1.09–1.31)。呼吸器系死亡率への効果は、NO2において1.03 (95%信頼区間1.02–1.03)、PM2.5において1.05 (95%信頼区間1.01–1.09)だった。PM2.5以外の汚染物質との組み合わせ解析においてもNO2は独立して影響を与える物質であることが推定された。
結論:
大気汚染における死亡率において、長期的なNO2の曝露はPM2.5と同等の影響力を持つと考えられる。