閉塞性睡眠時無呼吸に対するゾニサミドの効果
2014年 03月 21日

Davoud Eskandari, et al.
Zonisamide reduces obstructive sleep apnoea: a randomised placebo-controlled study
ERJ March 13, 2014 erj01584-2013
背景:
炭酸脱水酵素阻害によって睡眠障害における無呼吸もイベントを減らすことができる。ゾニサミドは炭酸脱水素酵素を阻害し、肥満患者の体重減少をもたらすとされている(JAMA 2003; 289: 1820–1825.、Arch Intern Med 2012; 172: 1557–1564.)。この研究は、これらのプロパティの影響によって閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を改善させることができるかどうか調べたものである。CPAP療法は通常ケアの比較対照として用いられた。
方法:
BMIが27~35kg/m2の中等症以上のOSA患者47人をランダムにゾニサミド、プラセボ、CPAP療法に4週間割り付けた。その後20週のopen extension phaseにおいてCPAP療法とゾニサミドを比較した(24週目比較)。ポリソムノグラフィ、生化学検査、症状が評価された。
結果:
47人のうち42人が男性で、平均年齢は52歳だった。ゾニサミド内服患者では、4人が200mg/日までしか到達できなかったが、それ以外の全患者は300mg/日まで到達できた。
4週目の時点で、プラセボと比較してゾニサミドはAHIを平均±標準偏差 33±39%減少させ、酸素飽和度低下を28±31%抑制した(p = 0.02、0.014)。

24週時点ではゾニサミドよりもCPAP療法の方がAHI改善効果は高かった。ゾニサミドと比較して、CPAP療法はREM睡眠を増加させ、エプワース睡眠スケールをより効果的に改善させた。
プラセボと比較して体重はゾニサミド投与後に減少し、CPAP療法後に増加した(-2.7±3.0 kg vs 2.3±2.0 kg, p<0.001)。
ゾニサミドは4週目、24週目のHCO3-濃度を減少させた。
副作用はゾニサミド群で多くみられた。
結論:
ゾニサミドは体重と独立して炭酸脱水素酵素阻害によってOSAを改善させた。
by otowelt | 2014-03-21 00:43 | 呼吸器その他