
Daiana Stolz, et al.
Exertional hypoxemia in stable COPD is common and predicted by circulating proadrenomedullin
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.13-1967
背景:
COPD患者全体の労作性低酸素血症の頻度は不明である。間欠的な低酸素血症は、HIF-1経路を通じてアドレノメデュリン(ADM)を増加させる。われわれは、安定期COPD患者における労作性低酸素血症の頻度と年確率を解析した。またわれわれは、ADMの増加が労作性低酸素血症に関連すること、ADMを臨床的評価項目として使用することでCOPDの予測的位置づけとして役立つかもしれないと考えた。
方法:
PROMISE-COPD試験において、574人の臨床的に安定した中等症以上のCOPD患者から、1233の6分間歩行試験および血液中プロアドレノメデュリン値データが採取された。
結果:
労作性低酸素血症の頻度は29.1%であった。また、労作性低酸素血症にいたる年確率は21.6%であった。労作性低酸素血症は健康関連QOLの特異的なドメインの悪化、重度の急性増悪の増加、年間の死亡率の増加と関連していた。ロジスティック線形および条件付きCox回帰多変量解析において、予測1秒率とプロアドレノメデュリンは労作性低酸素血症の独立予測因子であった(いずれもp<0.001)。心血管疾患を含む合併症で補正すると、COPD急性増悪の頻度は結果に影響を与えなかった。予測1秒率単独使用と比較して、プロアドレノメデュリンを補足的に使用することで予測能を改善させた(p=0.018)。非線形ノモグラムに基づくと、中等症COPD患者(予測1秒量50%)でプロアドレノメデュリン高値(>2nmol/L)の患者は労作時の酸素飽和度低下のリスクが増加した(>30%)。
結論:
COPD患者における労作時の酸素飽和度低下はよくみられる事象であり、臨床アウトカム不良と関連していた。アドレノメデュリンは、予測1秒率単独と比較すると労作時の酸素飽和度低下の予測能を増加させる補足的役割がある。