ATS2014:頻呼吸、低酸素血症、低GCSではNPPV失敗の可能性が高い
2014年 05月 18日
救急部におけるNPPV使用についての報告です。極度の低酸素血症の患者は最初からIPPVでもよいのではと論じています。
A25
L. Vieira, et al.
Noninvasive Ventilation In Emergency Department: Predictors Of Success Or Failure [Publication Number: A1180]
背景:
非侵襲性陽圧換気(NPPV)の利点は侵襲性換気を回避することができるという点である。また、NPPVは急性呼吸不全の一部の患者において在院日数の軽減、コスト削減に有用とされている。救急部において適切なNPPVの導入ができれば、挿管を回避できるだけでなくICU入室を回避しコスト削減や合併症・死亡率の軽減に役立つであろう。
目的:
救急部においてNPPVが適応となった急性呼吸不全の症例を解析し、NPPVの成否を分けた因子について調べること。
方法:
本研究はプロスペクティブに症例を解析したもので、EPAPを5~10cmH2Oに設定、IPAPは1回換気量が6ml/kgとなるよう設定した。SpO2を90%以上に維持するようFiO2を設定。
アウトカムはNPPV開始48時間以内の挿管とした。
結果:
635人の患者が登録された。38.7%は急性肺水腫、24.5%はCOPD急性増悪、15.3%は肺炎、12.4%は気管支喘息、9.1%はその他の原因によってNPPVが導入された。装着期間は8.2±3.6時間だった。
635人のうち、88.4%がNPPV成功と判断された。頻呼吸、80%未満のSpO2、GCSが低い場合には挿管にいたる頻度が高かった。
結論:
救急部において、NPPVは安全かつ効果的な治療法である。ただし、頻呼吸、80%未満のSpO2、GCSが低い場合には挿管にいたる頻度が高かった。
by otowelt
| 2014-05-18 20:19
| 集中治療