ATS2014:possible UIPの臨床的特徴

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possible UIPについてまとめた珍しい報告です。

A39
W.-I. Choi, et al.
Clinical Characteristics And Outcomes In Patients With Possible Usual Interstitial Pneumonia
[Publication Number: A1442]


背景:
 胸部HRCTによって診断されるpossible UIPパターンは間質性肺炎患者の少数存在するが、臨床的特徴やアウトカムについてはほとんどわかっていない。近年のガイドラインではpossible UIPの診断精度を上げるために外科的肺生検を推奨している。この研究では、possible UIPの患者の臨床的特徴および生存期間について調べた。

方法:
 このレトロスペクティブコホート研究では62人のpossible UIP患者および544人のIPF患者を登録した。われわれは、possible UIPパターンとUIPパターンの患者の臨床的特徴とアウトカムを比較した。Kaplan-Meyer生存曲線によってIPFとpossible UIP患者の生存期間を解析した。

結果:
 両群ともに患者背景に差はみられなかった。肺癌合併の頻度も同等であった。呼吸機能検査も両群ともに差はみられなかった。しかしながら、拡散能についてはUIPパターンの方がpossible UIPパターンよりも低かった(p < 0.01)。また、possible UIPの患者はUIPパターンの患者よりも生存期間が長かった(P = 0.04)。

結論:
 possible UIPの患者は拡散能を除いてUIPパターンの患者と同等の臨床的特徴を有する。possible UIPの患者はIPF/UIPの患者よりも生存期間が長かった。


by otowelt | 2014-05-18 23:12 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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