GGNに対して経過観察を選択しても肺癌による死亡の増加はない
2014年 06月 20日

Gulati CM, et al.
Outcomes of unresected ground-glass nodules with cytology suspicious for adenocarcinoma.
J Thorac Oncol. 2014 May;9(5):685-91.
背景:
StageIの肺腺癌の切除後の5年生存率は100%に達する。これまでの報告から、早期癌と考えられるスリガラス影は、緩徐な経過をたどるとされている。スリガラス影から癌が疑われた場合、すぐに切除した場合と比較して、時間が経過してから切除した場合に予後が異なるのかを調べた。
方法:
これまでに肺腺癌の既往のない、CTガイド下生検でGGOの診断がおこなわれた63人の患者を同定した。
これらの患者の細胞診で異常がありすぐに切除した例と、切除せずに経過観察した症例とを比較した。
結果:
16人がGGNに対して悪性が疑われた後に経過観察をしていた。残りの47人はすぐに切除されていた。経過観察されていた16人のうち、6人(37.5%)が明らかに増大したりsolidな病変が出現したりしていた。そのうち5人は切除や放射線治療が施され、遠隔転移や肺癌による死亡は観察されなかった。一方、すぐに切除された47人のうち2人には転移スがみられ、5人は残りの肺に新たな病変が出現し、3人はすでにみられていたGGNに悪化所見がみられた。
結論:
肺腺癌を疑うスリガラス影に対する生検によって悪性が疑われ、これを経過観察した場合でも、明らかに増悪の頻度が増したり肺癌による死亡が増えることはなかった。
by otowelt
| 2014-06-20 00:57
| 肺癌・その他腫瘍