高齢者に対する身体活動プログラムは健康教育プログラムよりも有効
2014年 07月 02日
高齢者に対するリハビリテーションの有効性と重要性を示したJAMAの論文です。
Pahor M, et al.
Effect of structured physical activity on prevention of major mobility disability in older adults: the LIFE study randomized clinical trial.
JAMA. 2014 Jun 18;311(23):2387-96.
背景:
高齢者では運動機能が低下することはよくある。またこれは疾病罹患、入院率、機能障害、死亡の独立リスク因子である。身体活動によって運動機能障害を防止することができるかもしれないという研究はあるが、これらの効果について検証した臨床試験は存在しない。
目的:
主要な運動機能障害のリスクを軽減する上で、長期間の身体活動プログラムが健康教育プログラムよりも効果的であるという仮説を検証する。
方法:
このLIFE試験は、2010年2月から2011年12月まで行われた多施設共同ランダム化比較試験である。2013年12月にフォローアップを終了した。アウトカム解析者はいずれの介入群に登録者が組み込まれたか盲検化された。参加者はアメリカ国内の8施設において、都市部、準都市部、郊外から登録された。われわれは、身体的機能制限を有する70~89歳の1635人の男女を登録した。身体的機能制限はSPPB:Short Physical Performance Batteryにおいて9点以下としたが、登録者は400mは歩行可能であると条件づけた。
身体活動プログラムを受ける群(818人)では、施設で週2回および自宅で週3回の運動をおこなった。週150分の歩行、筋力訓練、ストレッチ、バランストレーニングなどが個別に設定された。一方、健康教育プログラム群(817人)では、高齢者に関するトピックやストレッチ運動についてのワークショップ教育のみが実施された。
プライマリアウトカムは400mの歩行ができなくなること(運動機能障害の発生)とした。
結果:
2.6年間の観察期間中に運動機能障害はリハビリ群とコントロール群で30.1% vs. 35.5%に発生した(ハザード比0.82、95%信頼区間0.69~0.98、p=0.03)。遷延性の運動機能障害の頻度は14.7% vs. 19.8%だった(ハザード比0.72、95%信頼区間0.57~0.91、p=0.06)。 (文献より引用:主要な運動機能障害と遷延性運動機能障害)
重篤な有害事象は、運動活動介入群の404人(49.4%)に、健康教育群の373人(45.7%)にみられた(リスク比1.08、95%信頼区間0.98~1.20)。
結論:
健康教育プログラムと比較して、中等度の強度を有する身体活動プログラムは高齢者において身体機能障害を2.6年にわたり予防することができた。とりわけ機能障害を起こしやすい高齢者において、こういったプログラムは有益であろう。
Pahor M, et al.
Effect of structured physical activity on prevention of major mobility disability in older adults: the LIFE study randomized clinical trial.
JAMA. 2014 Jun 18;311(23):2387-96.
背景:
高齢者では運動機能が低下することはよくある。またこれは疾病罹患、入院率、機能障害、死亡の独立リスク因子である。身体活動によって運動機能障害を防止することができるかもしれないという研究はあるが、これらの効果について検証した臨床試験は存在しない。
目的:
主要な運動機能障害のリスクを軽減する上で、長期間の身体活動プログラムが健康教育プログラムよりも効果的であるという仮説を検証する。
方法:
このLIFE試験は、2010年2月から2011年12月まで行われた多施設共同ランダム化比較試験である。2013年12月にフォローアップを終了した。アウトカム解析者はいずれの介入群に登録者が組み込まれたか盲検化された。参加者はアメリカ国内の8施設において、都市部、準都市部、郊外から登録された。われわれは、身体的機能制限を有する70~89歳の1635人の男女を登録した。身体的機能制限はSPPB:Short Physical Performance Batteryにおいて9点以下としたが、登録者は400mは歩行可能であると条件づけた。
身体活動プログラムを受ける群(818人)では、施設で週2回および自宅で週3回の運動をおこなった。週150分の歩行、筋力訓練、ストレッチ、バランストレーニングなどが個別に設定された。一方、健康教育プログラム群(817人)では、高齢者に関するトピックやストレッチ運動についてのワークショップ教育のみが実施された。
プライマリアウトカムは400mの歩行ができなくなること(運動機能障害の発生)とした。
結果:
2.6年間の観察期間中に運動機能障害はリハビリ群とコントロール群で30.1% vs. 35.5%に発生した(ハザード比0.82、95%信頼区間0.69~0.98、p=0.03)。遷延性の運動機能障害の頻度は14.7% vs. 19.8%だった(ハザード比0.72、95%信頼区間0.57~0.91、p=0.06)。
重篤な有害事象は、運動活動介入群の404人(49.4%)に、健康教育群の373人(45.7%)にみられた(リスク比1.08、95%信頼区間0.98~1.20)。
結論:
健康教育プログラムと比較して、中等度の強度を有する身体活動プログラムは高齢者において身体機能障害を2.6年にわたり予防することができた。とりわけ機能障害を起こしやすい高齢者において、こういったプログラムは有益であろう。
by otowelt
| 2014-07-02 00:46
| 内科一般