小児の市中肺炎の診断に肺エコーは有用
2014年 07月 21日

Reali F, et al.
Can Lung Ultrasound Replace Chest Radiography for the Diagnosis of Pneumonia in Hospitalized Children
Respiration, in press. (DOI:10.1159/000362692)
背景:
肺エコーは成人の市中肺炎において、精度の高い被曝のない胸部レントゲンの代替ツールである。
目的:
この研究の目的は、小児における市中肺炎のエコー診断の精度を調べることである。
方法:
臨床所見から市中肺炎を疑われた連続107人の小児を登録し、血液検査、胸部レントゲン、肺エコー検査を行った。この研究はサンパウロ病院の小児科で行われた。肺炎の診断は、臨床データと胸部レントゲンを総合判断して下された。
結果:
市中肺炎の診断がついたのは81人(76%)であった。肺エコーおよび胸部レントゲンはすべての患者に行われた。肺エコーの感度は94%で、特異度は96%であった。一方で胸部レントゲンの感度は82%、特異度は94%であった。市中肺炎の患者において、肺エコーは胸膜直下のair bronchogramを伴うコンソリデーションの同定が70人で可能であり、局所的なB-lineが6人に観察された。肺炎随伴性胸水は肺エコーで17人の患者にみられたが、胸部レントゲンでは11人にしか観察されなかった。
結論:
われわれの研究によれば、市中肺炎の入院患児に対して肺エコーによって高い精度で診断をくだすことができた。小児における多施設試験の実施が望まれる。
by otowelt
| 2014-07-21 00:16
| 呼吸器その他