母乳栄養は新生児の感染や喘鳴に対して保護的にはたらく
2014年 08月 20日
WHOの定義によれば、exclusive breastfeedingはビタミンやミネラルなどの外的摂取は許容される母乳栄養のことを指すようです。
Biesbroek G, et al.
The Impact of Breastfeeding on Nasopharyngeal Microbial Communities in Infants
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, Vol. 190, No. 3 (2014), pp. 298-308.
背景:
母乳栄養は、新生児の呼吸器系の感染やアトピー疾患に対して保護的な役割を持つ。いくつかの免疫刺激物質や抗菌作用のある物質が母乳に含まれており、これが保護的な役割を果たすと考えられるが、呼吸器系の細菌叢と母乳の関連についてはいまだ議論の余地がある。
目的:
母乳栄養と鼻咽頭細菌叢の関連を調べること。
方法:
この観察研究では、生後6週および6ヶ月時点での完全母乳育児:exclusive breastfeeding (n = 101)と完全人工栄養育児:exclusive formula feeding (n = 101)の細菌叢を16S-based GS-FLX-titanium-pyrosequencingを用いて解析した。
結果:
生後6週時点で細菌叢の構成は母乳栄養と人工栄養で有意に異なっていた(元尺度構成:p = 0.001)。 (文献より引用:nMDSプロット)
母乳栄養児では乳酸菌であるDolosigranulum(相対効果量[RES] 2.61; P = 0.005)とCorynebacterium(RES, 1.98; P = 0.039)が増加し、Staphylococcus(RES, 0.48; P 0.03)と嫌気性菌であるPrevotella(RES, 0.25; P < 0.001)やVeilonella(RES, 0.33; P < 0.001)が減少していた。 (文献より引用:UniFrac)
(文献より引用:生後6週RES[多変量解析])
CorynebacteriumとDolosigranulumの増加は母乳栄養の44.6%にみられ、人工栄養では18.8%にみられた(相対リスク2.37; P = 0.006)。Dolosigranulumが多いと、新生児の喘鳴や気道感染が少なかった。ただし、生後6ヶ月時点ではこの関連は消失していた。 (文献より引用)
結論:
生後6週間の新生児において、母乳栄養と上気道の細菌叢構成に強い関連がみられた。これが呼吸器系の感染や喘鳴に対する保護的な役割に寄与している可能性が示唆される。
Biesbroek G, et al.
The Impact of Breastfeeding on Nasopharyngeal Microbial Communities in Infants
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, Vol. 190, No. 3 (2014), pp. 298-308.
背景:
母乳栄養は、新生児の呼吸器系の感染やアトピー疾患に対して保護的な役割を持つ。いくつかの免疫刺激物質や抗菌作用のある物質が母乳に含まれており、これが保護的な役割を果たすと考えられるが、呼吸器系の細菌叢と母乳の関連についてはいまだ議論の余地がある。
目的:
母乳栄養と鼻咽頭細菌叢の関連を調べること。
方法:
この観察研究では、生後6週および6ヶ月時点での完全母乳育児:exclusive breastfeeding (n = 101)と完全人工栄養育児:exclusive formula feeding (n = 101)の細菌叢を16S-based GS-FLX-titanium-pyrosequencingを用いて解析した。
結果:
生後6週時点で細菌叢の構成は母乳栄養と人工栄養で有意に異なっていた(元尺度構成:p = 0.001)。
母乳栄養児では乳酸菌であるDolosigranulum(相対効果量[RES] 2.61; P = 0.005)とCorynebacterium(RES, 1.98; P = 0.039)が増加し、Staphylococcus(RES, 0.48; P 0.03)と嫌気性菌であるPrevotella(RES, 0.25; P < 0.001)やVeilonella(RES, 0.33; P < 0.001)が減少していた。
CorynebacteriumとDolosigranulumの増加は母乳栄養の44.6%にみられ、人工栄養では18.8%にみられた(相対リスク2.37; P = 0.006)。Dolosigranulumが多いと、新生児の喘鳴や気道感染が少なかった。ただし、生後6ヶ月時点ではこの関連は消失していた。
結論:
生後6週間の新生児において、母乳栄養と上気道の細菌叢構成に強い関連がみられた。これが呼吸器系の感染や喘鳴に対する保護的な役割に寄与している可能性が示唆される。
by otowelt
| 2014-08-20 00:49
| 呼吸器その他