ネーザルハイフロー併用下気管支鏡の報告

ネーザルハイフロー併用下気管支鏡の報告_e0156318_9511053.jpg ケースシリーズですが、実臨床に即した論文だと思います。参考にさせていただきました。

Miyagi K, et al.
Implementation of bronchoalveolar lavage using a high-flow nasal cannula in five cases of acute respiratory failure
Respiratory Investigation, in press, doi:10.1016/j.resinv.2014.06.006


背景:
 近年の臨床プラクティスにおいて、鼻腔高流量酸素療法(HFNC、ネーザルハイフローなど)は成人の呼吸不全の患者において酸素化を改善するとされている。しかしながら、急性呼吸不全時にHFNCを用いて気管支鏡を行うことはこれまでに報告されていない。われわれは、HFNC下で気管支鏡を施行できた急性呼吸不全の5症例を報告する。

概要:
 5人の患者(1人が女性、4人が男性)は、57歳から79歳までの患者で、P/F比は144~221であった。検査後、1人はHFNCを中止することができ、2人はHFNCのFiO2を減ずることができた。BALによって3人の診断が確定できた。残りの2人についてはBALは診断に有用であった。

 Case1:肺胞蛋白症:FiO250%・50L/min
 Case2:好酸球性肺炎:FiO280%・40L/min
 Case3:びまん性肺胞出血:FiO260%・35L/min
 Case4,5:薬剤性肺障害:FiO295%・30L/min、FiO250%・50L/min

 5例のうち、1人のみが気管支鏡から16時間後に非侵襲性換気を要した。


by otowelt | 2014-08-26 00:40 | 気管支鏡

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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