KL-6高値の器質化肺炎は重篤で治療反応性が不良
2014年 09月 08日

原悠ら.
肺生検にて器質化肺炎所見を認めた症例の血清KL-6の臨床的意義
気管支学:36(4),348-352,2014
背景:
特発性器質化肺炎(cryptogenic organizing pneumonia:COP)は予後良好な間質性肺炎と理解されており,二次性器質化肺炎(secondary organizing pneumonia:SOP)においてもその予後は類似する.一方,血清KL-6は間質性肺炎における有用なバイオマーカーで,II型肺胞上皮細胞の傷害や再生を反映する.COPでは約半数で血清KL-6が上昇し,治療後の再発頻度と関連することが指摘されている.しかし,SOPを含めた器質化肺炎(organizing pneumonia:OP)全体での血清KL-6と臨床像との関連は明らかでない.
方法:
2007年9月から2013年12月に肺生検でOP所見を認めた25例を血清KL-6の正常群(A群)と高値群(B群)に分類し,その臨床的特徴を比較解析した.
結果:
B群(12例)はA群(13例)に比べ,呼吸困難が高率で(p<0.001),治療前血清LDH,SP-D値は有意に高値(各々p=0.005,p=0.005),PaO2は低値であった(p=0.048).CTでは,A群はconsolidationが優位(p=0.019),B群は肺底部主体のground glass opacityが優位所見であった(p=0.016).治療内容に差はなく,B群に悪化例を多く認めた(p=0.029).
結論:
血清KL-6が高値であるOPは,より重篤で治療反応不良例を多く含む可能性が示唆された.
by otowelt
| 2014-09-08 00:45
| びまん性肺疾患