胸腔鏡下の肺葉切除は開胸と同等の生存期間
2014年 10月 24日

Subroto Paul, et al.
Long term survival with thoracoscopic versus open lobectomy: propensity matched comparative analysis using SEER-Medicare database
BMJ 2014; 349 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g5575 (Published 02 October 2014)
目的:
低侵襲の肺葉切除術と胸腔鏡下の肺葉切除術の長期生存を比較すること。
方法:
SEERデータベースを用いて、2007年から2009年までに肺葉切除術を行われた肺癌の患者を抽出した。主要転帰は全生存期間、無再発生存、がん特異的生存に対する低侵襲性の肺葉切除術の影響とした。
結果:
2007年から2009年まで6008人の肺葉切除術を施行された患者が登録された(うち4715人が開胸手術)。年齢中央値は74歳(IQR70-78)であった。フォローアップ期間中央値は40ヶ月であった。各群に1195人のマッチ患者を登録した。
術後の合併症は、胸腔鏡群で1293人中629人(48.7%)、開胸群で4715人中2564人(54.4%)にみられた。マッチ患者ではそれぞれ48.9%、53.7%で、ほぼ同等であった。
傾向マッチ解析において、全生存、無再発生存、がん特異的生存については両群とも差はみられなかった(全生存70.6% v 68.1%, P=0.55; 無再発生存86.2% v 85.4%, P=0.46; がん特異的生存92% v 89.5%, P=0.05)。



結論:
この傾向マッチ解析によれば、胸腔鏡下で肺葉切除を実施された患者は、開胸で肺葉切除を実施された場合と比較して全生存、無再発生存、がん特異的生存が同等だった。
by otowelt
| 2014-10-24 00:18
| 呼吸器その他