末梢型肺癌の診断におけるEBUS-GSの有用性
2015年 01月 15日

Minami D, et al.
Endobronchial ultrasound-guided transbronchial biopsy with or without a guide sheath for diagnosis of lung Cancer
Respir Inveg, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.resinv.2014.10.003
背景:
ガイドシースを用いた超音波ガイド下経気管支生検(EBU-GS)は、肺癌の診断で広く使用されている。しかしながら、その診断能は広く差がある。この研究は、EBUS-GSがもたらす効果を調べたものである。
方法:
われわれはレトロスペクティブに末梢型肺癌に対して経気管支肺生検(TBB)を行われた110人を登録した。気管支鏡でEBUS-GSを用いた60人(グループA)と用いていない50人(グループB)にそれぞれ割り付けた。それぞれの診療録を抽出し、2群の種々のケカについてt検定を用いて比較した。
結果:
患者背景や腫瘍の大きさには両群ともに有意な差はみられなかったが、10~20mmの結節の頻度はグループAの方が多かった。また最終的に腺癌と診断された頻度もグループAが多かった(p=0.046)
肺癌の診断感度はグループAで83.3%、グループBで68%だった(P=0.066)。20mm以上の結節に対する診断感度はそれぞれ86.4%、76.7%だった(P=0.263)。さらに10~20mmの結節についてはそれぞれ60%、14.2%だった(P=0.0004)。
TBBだけでみた場合、感度はグループAが63.3%、グループBが44%だった(P=0.043)。TBB単独で20mm以上の結節を評価すると、診断感度はグループA70.2%、グループB44.8%だった(P=0.051)。同様に10~20mmの結節の診断感度は、それぞれ45%、14.2%だった(P=0.115)。

結論:
TBB、ブラシング、気管支洗浄を用いたEBUS-GSは20mm未満の肺癌の診断にも効果的と考えられる。
by otowelt
| 2015-01-15 00:42
| 気管支鏡