IPF患者における血清ペリオスチン濃度は肺の線維化や長期予後の予測に有用
2015年 02月 09日

Morihiro Tajiri, et al.
Serum level of periostin can predict long-term outcome of idiopathic pulmonary fibrosis
Respiratory Investigation, Published Online: January 19, 2015
背景:
KL-6、SP-A、SP-Dは特発性肺線維症(IPF)の血清バイオマーカーとして用いられている。われわれは、過去にペリオスチンが呼吸器系に及ぼす影響について報告した(J Allergy Clin Immunol. 2006 Jul;118(1):98-104、Proc Natl Acad Sci U S A. 2007 Sep 11;104(37):14765-70.[気管支喘息における報告])。また、線維化を有する特発性肺間質性肺炎でのペリオスチンの上昇も過去に報告されている(Eur Respir J. 2011 May;37(5):1119-27. )。
※ペリオスチン:ヒトのPOSTN遺伝子にコードされたタンパク質で、上皮細胞の接着を支持する。
方法:
われわれは、血清ペリオスチン値がIPF患者における全生存期間(OS)、イベントまでの期間(TTE)、長期アウトカムを反映するパラメータ、胸部HRCTにおける異常所見に関連するかどうか調べた。
方法:
29人のIPF患者がレトロスペクティブに解析された。平均観察期間は1035.2±663.1日(112-1180日)だった。HRCTスコアは、個々の患者で撮影された胸部HRCTを用いてスコアリングした。血清ペリオスチン値と臨床パラメータ(HRCTスコアを含む)に関連があるかどうか調べられた。
結果:
その結果、6ヶ月の間血清ペリオスチンは有意にHRCTにおける蜂巣肺スコアの増加と関連していた。Log-rank testにおいて、血清ペリオスチン高値はOSやTTEの短縮を予測した。線維化の広がりは同様にOSやTTEの短縮を予測した。
結論:
IPF患者において、血清ペリオスチンは放射線学的な線維化の増加や長期アウトカムを予測する良好なバイオマーカーである。
by otowelt
| 2015-02-09 00:31
| びまん性肺疾患