ガーシュウィンは多形膠芽腫だった?
2015年 02月 16日
●はじめに
ジョージ・ガーシュウィン(1898年~1937年)はアメリカの作曲家で、彼の作品はジャズテイストの混じった壮大な曲が多いことで知られています。ラプソディー・イン・ブルーという曲を誰しも一度は耳にしたことがあるでしょう。 (ラプソディー・イン・ブルー[ピアノ編曲])
●脳腫瘍の手術翌日に急逝
彼が亡くなる年の1937年2月。指揮のリハーサル中に指揮台の上で突然倒れそうになりました。その後、強い幻臭症状を訴え直後に意識障害を発症したそうです。このてんかん症状はその後も何度かみられるようになり、頭痛や嘔気を合併してきたそうです。同年6月にてんかんにしては症状が激烈であることから脳腫瘍を疑われました。
7月に入って脳室造影検査(頭蓋骨に小さな穴をあけて行う造影法だったそうです)を行い、右側頭葉に巨大な腫瘍があることがわかりました。当時はCT検査なんてありませんでしたから、脳腫瘍の診断は極めて難しかったことと思います。
開頭手術を行い、腫瘍は摘出されたそうです。しかしながら、術後ガーシュウィンの意識が戻ることはありませんでした。手術の翌日に亡くなりました。死亡原因が手術の合併症であったかどうかは調べてみてもよく分かりませんでした。
ガーシュウィンの曲を聴いてみると分かりますが、遊園地のようにワクワクする曲が多いです。これまでのオーケストラとは違い、ジャズっぽい感じを抱く人も多いでしょう。38歳という若さでこの作曲家を失ったことは、アメリカ音楽界にとって大きな打撃でした。
なお、脳腫瘍は多形膠芽腫だったとされています(Semin Neurol. 1999;19 Suppl 1:3-9.)。
<音楽と医学>
・バッハの失明の原因は医療ミス?
・チャイコフスキーの死因はコレラか自殺か?
・モーツァルトの死因は毒殺だったのか?
・ラフマニノフはMarfan症候群ではなかったのかもしれない
・ショパンの死因は結核ではなかったかもしれない
・ベートーヴェンの難聴と肝硬変の原因はワインの飲みすぎによる鉛中毒
<偉人たち>
・Biot呼吸の提唱者:Camille Biot
・Ziehl-Neelsen染色の考案者1:Franz Ziehl
・Ziehl-Neelsen染色の考案者2:Friedrich Carl Adolf Neelsen
・Boerhaave症候群の提唱者:Herman Boerhaave
・Pancoast腫瘍の提唱者:Henry Pancoast
・Clara細胞の発見者:Max Clara
・サコマノ法の考案者:Geno Saccomanno
・Mendelson症候群の提唱者:Curtis Lester Mendelson
・Hoover徴候の提唱者:Charles Franklin Hoover
・Gram染色の発見者:Hans Christian Joachim Gram
ジョージ・ガーシュウィン(1898年~1937年)はアメリカの作曲家で、彼の作品はジャズテイストの混じった壮大な曲が多いことで知られています。ラプソディー・イン・ブルーという曲を誰しも一度は耳にしたことがあるでしょう。
●脳腫瘍の手術翌日に急逝
彼が亡くなる年の1937年2月。指揮のリハーサル中に指揮台の上で突然倒れそうになりました。その後、強い幻臭症状を訴え直後に意識障害を発症したそうです。このてんかん症状はその後も何度かみられるようになり、頭痛や嘔気を合併してきたそうです。同年6月にてんかんにしては症状が激烈であることから脳腫瘍を疑われました。
7月に入って脳室造影検査(頭蓋骨に小さな穴をあけて行う造影法だったそうです)を行い、右側頭葉に巨大な腫瘍があることがわかりました。当時はCT検査なんてありませんでしたから、脳腫瘍の診断は極めて難しかったことと思います。
開頭手術を行い、腫瘍は摘出されたそうです。しかしながら、術後ガーシュウィンの意識が戻ることはありませんでした。手術の翌日に亡くなりました。死亡原因が手術の合併症であったかどうかは調べてみてもよく分かりませんでした。
ガーシュウィンの曲を聴いてみると分かりますが、遊園地のようにワクワクする曲が多いです。これまでのオーケストラとは違い、ジャズっぽい感じを抱く人も多いでしょう。38歳という若さでこの作曲家を失ったことは、アメリカ音楽界にとって大きな打撃でした。
なお、脳腫瘍は多形膠芽腫だったとされています(Semin Neurol. 1999;19 Suppl 1:3-9.)。
<音楽と医学>
・バッハの失明の原因は医療ミス?
・チャイコフスキーの死因はコレラか自殺か?
・モーツァルトの死因は毒殺だったのか?
・ラフマニノフはMarfan症候群ではなかったのかもしれない
・ショパンの死因は結核ではなかったかもしれない
・ベートーヴェンの難聴と肝硬変の原因はワインの飲みすぎによる鉛中毒
<偉人たち>
・Biot呼吸の提唱者:Camille Biot
・Ziehl-Neelsen染色の考案者1:Franz Ziehl
・Ziehl-Neelsen染色の考案者2:Friedrich Carl Adolf Neelsen
・Boerhaave症候群の提唱者:Herman Boerhaave
・Pancoast腫瘍の提唱者:Henry Pancoast
・Clara細胞の発見者:Max Clara
・サコマノ法の考案者:Geno Saccomanno
・Mendelson症候群の提唱者:Curtis Lester Mendelson
・Hoover徴候の提唱者:Charles Franklin Hoover
・Gram染色の発見者:Hans Christian Joachim Gram
by otowelt
| 2015-02-16 00:07
| コラム:医学と偉人