早期にピーナッツを摂取すれば、ピーナッツアレルギーは回避できる?
2015年 02月 27日

George Du Toit, et al.
Randomized Trial of Peanut Consumption in Infants at Risk for Peanut Allergy.
N Engl J Med 2015; 372:803-813
背景:
西欧では小児のピーナッツアレルギーの有病率がここ10年で倍増している。また、ピーナッツアレルギーはアフリカやアジアでもみられるようになってきた。そこでわれわれは、ピーナッツアレルギーのリスクが高い乳児におけるアレルギーの発症の予防に対して、ピーナッツを摂取する方法と摂取を回避する方法のどちらが有効かを調べた。
方法:
重度の湿疹、卵アレルギー、またはその両方を有する乳児640人を、生後60ヶ月までの間、ピーナッツを摂取する群(ピーナッツ群)と、摂取を回避する群(回避群)にランダムに割り付けた。対象となった小児は、生後4ヶ月以上11ヶ月未満だった。
プリックテストによるピーナッツ抽出物への反応の有無によって、測定可能な膨疹が観察されなかったコホートと、直径1~4mm膨疹が観察されたコホートに層別化し、ランダム化した。
プライマリアウトカムは、生後60ヶ月時点でピーナッツアレルギーを有する参加者の割合とし、コホートごとに独立に評価した。
結果:
プリックテストがベースラインで陰性だったITT530人では、生後60ヶ月時のピーナッツアレルギー有病率は、回避群13.7%、ピーナッツ群1.9%であった(P<0.001)。プリックテスト陽性であったITT98人では、同様に回避群35.3%、ピーナッツ群10.6%であった(P=0.004)。重篤な有害事象には群間差はなかった。
ピーナッツ特異的IgG4抗体の上昇はピーナッツ群でみられ、回避群では同IgE 抗体価の上昇がみられた。プリックテストでの膨疹がより大きいこと、ピーナッツ特異的IgG4/IgE比がより小さいことは、ピーナッツアレルギーの発症と関連していた。
結論:
ピーナッツに対するアレルギーのリスクが高い小児において、ピーナッツの摂取を早期に開始することで、アレルギーの発症頻度が有意に低下する。
by otowelt
| 2015-02-27 00:23
| 内科一般