成人気管支喘息患者に対するボーラスビタミンD3補充療法は無効
2015年 03月 12日
COPDの患者さんに対しては一部の症例に対して効果があるかも、とされています。
・ViDiCO試験:一部のCOPD患者に対するビタミンD3補充は急性増悪を抑制
筆者はビタミンD3についてはポジティブに捉えており、Discussionは「投与方法によっては改善できる見込みがある」といったニュアンスで書かれています。
Adrian R Martineau, et al.
Double-blind randomised placebo-controlled trial of bolus-dose vitamin D3 supplementation in adults with asthma (ViDiAs)
Thorax, Published Online First 27 February 2015
背景:
喘息発作はウイルス性の上気道感染症によって惹起されることが多い。ビタミンD欠乏は、喘息患者の上気道感染症感受性と関連していると言われている。成人の喘息患者における発作や上気道感染症の頻度を調べたビタミンDに関する臨床試験は不足している。
目的:
喘息発作や上気道感染症の予防にビタミンD3の補充が効果的かどうかランダム化比較試験において調べる。
方法:
250人の成人気管支喘息患者をロンドンの施設から登録し、2ヶ月ごと3mg経口ビタミンD3(12万単位、6mL)を計6回服用する補充群(125人)あるいはプラセボ群(125人)に1年間割り付けられた。
セカンダリアウトカムとして喘息コントロール、SGRQスコア、呼気NO、誘発喀痰中の炎症性マーカーなどが含まれた。サブグループ解析を行い、ベースラインのビタミンD3ステータスあるいは11のビタミンD関連遺伝子の34SNPsのジェノタイプが結果に影響を与えるかどうか調べた。
結果:
250人の参加者のうち、206人(82%)がビタミンDが不足している状態にあった。ビタミンD3は重度の喘息発作までの期間に影響をもたらさず(補正ハザード比1.02, 95%信頼区間0.69 to 1.53, p=0.91)、上気道感染症についても影響を与えなかった(補正ハザード比0.87, 95%信頼区間0.64 to 1.16, p=0.34)。 (文献より引用)
いずれのセカンダリアウトカムに対しても臨床的にビタミンD3が影響をもたらすとは考えられなかった。ベースラインのビタミンD3ステータスやジェノタイプも影響を与えなかった。
結論:
ビタミンD3が不足している頻度が多い成人気管支喘息患者の集団において、ビタミンD3のボーラス補充療法は、喘息発作や上気道感染症までの期間に影響を与えなかった。
・ViDiCO試験:一部のCOPD患者に対するビタミンD3補充は急性増悪を抑制
筆者はビタミンD3についてはポジティブに捉えており、Discussionは「投与方法によっては改善できる見込みがある」といったニュアンスで書かれています。
Adrian R Martineau, et al.
Double-blind randomised placebo-controlled trial of bolus-dose vitamin D3 supplementation in adults with asthma (ViDiAs)
Thorax, Published Online First 27 February 2015
背景:
喘息発作はウイルス性の上気道感染症によって惹起されることが多い。ビタミンD欠乏は、喘息患者の上気道感染症感受性と関連していると言われている。成人の喘息患者における発作や上気道感染症の頻度を調べたビタミンDに関する臨床試験は不足している。
目的:
喘息発作や上気道感染症の予防にビタミンD3の補充が効果的かどうかランダム化比較試験において調べる。
方法:
250人の成人気管支喘息患者をロンドンの施設から登録し、2ヶ月ごと3mg経口ビタミンD3(12万単位、6mL)を計6回服用する補充群(125人)あるいはプラセボ群(125人)に1年間割り付けられた。
セカンダリアウトカムとして喘息コントロール、SGRQスコア、呼気NO、誘発喀痰中の炎症性マーカーなどが含まれた。サブグループ解析を行い、ベースラインのビタミンD3ステータスあるいは11のビタミンD関連遺伝子の34SNPsのジェノタイプが結果に影響を与えるかどうか調べた。
結果:
250人の参加者のうち、206人(82%)がビタミンDが不足している状態にあった。ビタミンD3は重度の喘息発作までの期間に影響をもたらさず(補正ハザード比1.02, 95%信頼区間0.69 to 1.53, p=0.91)、上気道感染症についても影響を与えなかった(補正ハザード比0.87, 95%信頼区間0.64 to 1.16, p=0.34)。
いずれのセカンダリアウトカムに対しても臨床的にビタミンD3が影響をもたらすとは考えられなかった。ベースラインのビタミンD3ステータスやジェノタイプも影響を与えなかった。
結論:
ビタミンD3が不足している頻度が多い成人気管支喘息患者の集団において、ビタミンD3のボーラス補充療法は、喘息発作や上気道感染症までの期間に影響を与えなかった。
by otowelt
| 2015-03-12 00:32
| 気管支喘息・COPD