長期的な大気の質の改善は小児の肺機能発達に良好な影響
2015年 03月 16日
環境と肺機能に関する話題です。素晴らしい報告だと思います。それにしても最近はめっきりPM2.5の話題がニュースで取り上げられなくなりましたね。日本の環境問題に対する意識は、マスメディアに左右され過ぎだと思います。
W. James Gauderman, et al.
Association of Improved Air Quality with Lung Development in Children
N Engl J Med 2015; 372:905-913
背景:
アメリカの南カリフォルニアの大気汚染について大気管理政策をおこなったため、ここ数十年で汚染レベルは徐々に低下している。われわれは、この長期的な汚染の減少によって小児の呼吸器系の健康改善と関連しているかどうかを調べた。
方法:
小児に対する健康調査の一環として、1994~1998年、1997~2001年、2007~2011年の3つの期間に調査を実施した3コホートの小児2120人に対して呼吸機能検査を年に1回実施した。それぞれのコホートの平均年齢は、各期間の開始時で11歳、終了時で15歳だった。線形回帰モデルにより、経時的な汚染レベルの低下および11歳→15歳にかけての肺機能発達との関連を調べた。肺機能発達は、当該期間における1秒量と努力肺活量の増加とした。
結果:
上記3コホートで調査が行われた13年間で、4年間の1秒量・努力性肺活量増加は、二酸化窒素濃度の低下(1秒量、努力性肺活量ともにP<0.001)、2.5μm未満の粒子状物質濃度の低下(1秒量P=0.008、努力性肺活量P<0.001)、10μm未満の粒子状物質濃度の低下(1秒量、努力性肺活量ともにP<0.001)に関連。この結果は、複数の交絡因子で補正しても観察された。
この肺機能発達の改善は、男女両方でみられ、喘息・非喘息児両方で観察された。15歳時の1秒量が低い(予測値80%未満)ものの割合は、大気の質の改善にしたがって3期間にわたり7.9%→6.3%→3.6%へと有意に低下(P=0.001)。
結論:
長期的な大気の質の改善は,小児の肺機能発達に対して有意な良好な影響を与える。
by otowelt
| 2015-03-16 00:27
| 呼吸器その他









