間質性肺疾患におけるテロメア長
2015年 06月 01日
家族性肺線維症(FIP)とテロメアの関係についてはヴァンダービルトFIPレジストリを用いて8年前に既に報告されています(Armanios MY, et al. N Engl J Med. 2007 Mar 29;356(13):1317-26.)。
Reinier Snetselaar, et al.
Telomere length in Interstitial Lung Diseases
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.14-3078
背景:
間質性肺疾患(ILD)は肺実質をおかすヘテロな稀少疾患である。これまで、ILD、特に特発性間質性肺炎(IIP)においてテロメア長の研究がおこなわれてきた。われわれは、孤発性および家族性のILDコホートにおいてテロメア長を測定し、これを健常人と比較した。
方法:
マルチプレックス定量PCRによって、173人の健常人および359人の様々なILD患者のテロメア長を測定した。ILD患者には家族性の間質性肺炎(FIP)も含まれていた。FIPコホートは、テロメラーゼ逆転写酵素 (TERT)変異を有する群、サーファクタントタンパクA2あるいはC(SFTP)変異を有する群、明らかな変異のない群に分類された。
結果:
すべてのILDにおけるテロメア長は健常人と比較して有意に短かった(p range = 0.038 - 2.28x10-27)。さらに、特発性肺線維症(IPF)におけるテロメア長は、他のIIPやサルコイドーシス患者と比較して有意に短かった(それぞれp=0.002、1.35x10-7)。
FIPコホートでは、TERTに変異のある患者はテロメアが最も短く(p=2.28x10-27)、変異のないFIP患者はIPF患者と同等のテロメア長であった(p=0.049)。SFTPに変異のある患者はIPF患者よりもテロメア長が長くなったが、他の孤発性IIPで観察された長さと同じくらいであった。 (文献より引用)
結論:
おしなべてILD患者ではテロメア長が短くなることがわかった。FIP患者においてTERTとSFTPの変異の違いは、獲得性と内因性のテロメアの差を反映しているのではないかと考えられた。
Reinier Snetselaar, et al.
Telomere length in Interstitial Lung Diseases
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.14-3078
背景:
間質性肺疾患(ILD)は肺実質をおかすヘテロな稀少疾患である。これまで、ILD、特に特発性間質性肺炎(IIP)においてテロメア長の研究がおこなわれてきた。われわれは、孤発性および家族性のILDコホートにおいてテロメア長を測定し、これを健常人と比較した。
方法:
マルチプレックス定量PCRによって、173人の健常人および359人の様々なILD患者のテロメア長を測定した。ILD患者には家族性の間質性肺炎(FIP)も含まれていた。FIPコホートは、テロメラーゼ逆転写酵素 (TERT)変異を有する群、サーファクタントタンパクA2あるいはC(SFTP)変異を有する群、明らかな変異のない群に分類された。
結果:
すべてのILDにおけるテロメア長は健常人と比較して有意に短かった(p range = 0.038 - 2.28x10-27)。さらに、特発性肺線維症(IPF)におけるテロメア長は、他のIIPやサルコイドーシス患者と比較して有意に短かった(それぞれp=0.002、1.35x10-7)。
FIPコホートでは、TERTに変異のある患者はテロメアが最も短く(p=2.28x10-27)、変異のないFIP患者はIPF患者と同等のテロメア長であった(p=0.049)。SFTPに変異のある患者はIPF患者よりもテロメア長が長くなったが、他の孤発性IIPで観察された長さと同じくらいであった。
結論:
おしなべてILD患者ではテロメア長が短くなることがわかった。FIP患者においてTERTとSFTPの変異の違いは、獲得性と内因性のテロメアの差を反映しているのではないかと考えられた。
by otowelt
| 2015-06-01 00:27
| びまん性肺疾患