中心静脈カテーテルの3部位の比較
2015年 09月 29日
結局のところ、世界的にCRBSIをどう減らすか、という論点に帰結するのかなと思いました。
Jean-Jacques Parienti, et al.
Intravascular Complications of Central Venous Catheterization by Insertion Site
N Engl J Med 2015; 373:1220-1229
背景:
中心静脈カテーテル(CVC)挿入には通常3部位が使われるが、それぞれの部位に重大な合併症の可能性を孕む。
方法:
本多施設共同試験において、ICUに入室した成人患者に対する非トンネル型CVCの挿入部位を、鎖骨下静脈、内頸静脈、大腿静脈にランダムに割り付けた。ただし、全部位が適している場合は1:1:1に、2部位が適している場合は1:1に割り付けた。プライマリアウトカムは、カテーテル関連血流感染(CRBSI)と症候性深部静脈血栓症(DVT)の複合とした。
結果:
合計3027人に3471本のCVCを挿入。3部位適合例においてプライマリアウトカムイベントは、鎖骨下静脈群で8件、内頸静脈群で20件、大腿静脈群で22件みられた(1000カテーテル・日あたり1.5 vs. 3.6 vs. 4.6, P=0.02)。2部位適合例の比較では、プライマリアウトカムのリスクは大腿静脈群のほうが鎖骨下静脈群よりも有意に高かった(ハザード比3.5、95%信頼区間1.5~7.8、P=0.003)。内頸静脈群についても鎖骨下静脈群より有意に同リスクが高かったが(ハザード比2.1、95%信頼区間1.0~4.3、P=0.04)、大腿静脈群と内頸静脈群のリスクは同程度だった(ハザード比1.3、95%信頼区間0.8~2.1、P=0.30)。3部位適合例での比較では、胸腔ドレーンを挿入する必要がある気胸が鎖骨下静脈群で13件(1.5%)、内頸静脈群で4件(0.5%)発生。
結論:
鎖骨下静脈からのCVC挿入は、内頸静脈・大腿静脈からの挿入と比べてCRBSIとDVTのリスクが低いが、気胸のリスクが高かった。
Jean-Jacques Parienti, et al.
Intravascular Complications of Central Venous Catheterization by Insertion Site
N Engl J Med 2015; 373:1220-1229
背景:
中心静脈カテーテル(CVC)挿入には通常3部位が使われるが、それぞれの部位に重大な合併症の可能性を孕む。
方法:
本多施設共同試験において、ICUに入室した成人患者に対する非トンネル型CVCの挿入部位を、鎖骨下静脈、内頸静脈、大腿静脈にランダムに割り付けた。ただし、全部位が適している場合は1:1:1に、2部位が適している場合は1:1に割り付けた。プライマリアウトカムは、カテーテル関連血流感染(CRBSI)と症候性深部静脈血栓症(DVT)の複合とした。
結果:
合計3027人に3471本のCVCを挿入。3部位適合例においてプライマリアウトカムイベントは、鎖骨下静脈群で8件、内頸静脈群で20件、大腿静脈群で22件みられた(1000カテーテル・日あたり1.5 vs. 3.6 vs. 4.6, P=0.02)。2部位適合例の比較では、プライマリアウトカムのリスクは大腿静脈群のほうが鎖骨下静脈群よりも有意に高かった(ハザード比3.5、95%信頼区間1.5~7.8、P=0.003)。内頸静脈群についても鎖骨下静脈群より有意に同リスクが高かったが(ハザード比2.1、95%信頼区間1.0~4.3、P=0.04)、大腿静脈群と内頸静脈群のリスクは同程度だった(ハザード比1.3、95%信頼区間0.8~2.1、P=0.30)。3部位適合例での比較では、胸腔ドレーンを挿入する必要がある気胸が鎖骨下静脈群で13件(1.5%)、内頸静脈群で4件(0.5%)発生。
結論:
鎖骨下静脈からのCVC挿入は、内頸静脈・大腿静脈からの挿入と比べてCRBSIとDVTのリスクが低いが、気胸のリスクが高かった。
by otowelt
| 2015-09-29 00:22
| 集中治療