
Hsu F, et al.
EGFR mutation status on brain metastases from non-small cell lung cancer.
Lung Cancer. 2016 Jun;96:101-7. doi: 10.1016/j.lungcan.2016.04.004.
目的:
この研究の目的は、EGFR遺伝子変異が進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者における脳転移の頻度にどういった影響を与えるか調べることである。
方法:
後ろ向き研究。EGFR遺伝子変異陽性および陰性が判明している患者を本研究コホートとして使用。プライマリエンドポイントは、脳転移の頻度とした。セカンダリエンドポイントは全生存期間とした。
結果:
543人の患者のうち、121人がEGFR遺伝子変異陽性、422人がEGFR遺伝子変異野生型であった。脳転移の累積罹患率は、前者で39.2%、後者で28.2%だった(p=0.038; ハザード比1.4)。多変量解析では、若年者、EGFR遺伝子変異陽性は有意な脳転移予測因子であった。生存期間中央値はEGFR遺伝子変異陽性群22.4ヶ月、野生型7.9ヶ月であった(p<0.001)。PS不良および脳転移は生存期間短縮のリスク因子であった。
結論:
進行期NSCLCにおけるEGFR遺伝子変異陽性の患者では野生型の患者と比べて脳転移の頻度が高い。