再発性SCLCに対してニンテダニブは有効か?
2016年 06月 02日

Han JY, et al.
A phase II study of nintedanib in patients with relapsed small cell lung cancer.
Lung Cancer. 2016 Jun;96:108-12. doi: 10.1016/j.lungcan.2016.04.002. Epub 2016 Apr 6.
目的:
ニンテダニブは経口トリプルキナーゼ阻害薬である。この研究は、再発/抵抗性の小細胞肺癌(SCLC)患者に対するニンテダニブの効果と安全性を評価したものである。
患者および方法:
ECOG PS0-2の患者で1~2回の化学療法/化学放射線治療歴がある者を登録した。患者は、ニンテダニブ200mg1日2回4週サイクルを病勢進行あるいは毒性による中止があるまで続けられた。プライマリエンドポイントは、客観的奏効率(ORR)とした。
結果:
2011年12月から2014年6月までに24人の患者が登録された。22人の患者が治療を完遂し、その効果を評価された。フォローアップ期間中央値は9.7ヶ月(0.5-19.8ヶ月)だった。年齢中央値は64歳(46-77歳)だった。6人の患者はsensitive relapseで、8人が1回の化学療法治療歴を有していた。
効果については、1人がPR、7人がSDだった。ORRは5%(95%信頼区間0.1-22.8%)だった。PFS中央値は1.0ヶ月(95%信頼区間0.9-1.1ヶ月)で、OSは9.8ヶ月(95%信頼区間8.4-11.2ヶ月)だった。
有害事象は、肝障害86%、貧血73%、食思不振59%、悪心50%だった。ほとんどの有害事象はマネジメント可能であった。Grade3の肝障害が5人(23%)にみられた。
結論:
再発性/抵抗性SCLCに対するニンテダニブは、マネジメント可能だが限られた抗腫瘍活性しか有さない。
by otowelt
| 2016-06-02 00:44
| 肺癌・その他腫瘍