コクランレビューは最近更新頻度がこまめなテーマとそうでないテーマに二極化していますね。
Kew KM, et al.
Increased versus stable doses of inhaled corticosteroids for exacerbations of chronic asthma in adults and children.
Cochrane Database Syst Rev. 2016 Jun 7;6:CD007524.
背景:
喘息患者はときに増悪や発作を経験し、追加的な治療を要する。喘息発作の早期に、重症度の軽減や経口ステロイド・入院を抑制するために吸入ステロイド量を倍増させるアクションプランが有効かもしれない。
目的:
遷延性喘息を有する小児および成人の自宅における患者主導アクションプランの一環として、吸入ステロイド薬(ICS)の吸入量を増加させる場合と固定用量で吸入する場合の効果と安全性を比較すること。
方法:
電子データベースから2016年3月までの呼吸器系ジャーナル等を手動で抽出した。自宅マネジメントにおけるICS増加群とICS固定群を比較したランダム化比較試験を選択。2人のレビュアーが試験選択、質評価、データ抽出をおこなった。
結果:
合計8つのランダム化比較試験が同定された(1669人の軽症~中等症の喘息患者)。3つが小児の試験で、5つが成人の試験だった。6つは並行群間試験で、2つはクロスオーバーデザインだった。1つの試験を除いて、すべての試験が6か月~1年のフォローアップだった。研究は、アクションプランとしてICSを固定用量から追加的に上乗せで吸入する群とプラセボを吸入する群を設定。治療失敗(経口ステロイド必要性)のオッズ比はICS上乗せ群で減少しなかった(オッズ比0.89, 95%信頼区間0.68 to 1.18; 参加者1520人; 7試験)。予定外の来院、急遽の来院についても両群で差はみられず、アクションプランにおけるICS増加は有意な効果はないと考えられた。
結論:
現行のエビデンスでは、軽症~中等症の小児~成人の喘息患者において、患者主導アクションプランとしてICSを発作時に増量させる意義はないと考えられた。ICSの増量によって経口ステロイドの使用を減少させる効果(治療失敗抑制効果)はみられなかった。
Kew KM, et al.
Increased versus stable doses of inhaled corticosteroids for exacerbations of chronic asthma in adults and children.
Cochrane Database Syst Rev. 2016 Jun 7;6:CD007524.
背景:
喘息患者はときに増悪や発作を経験し、追加的な治療を要する。喘息発作の早期に、重症度の軽減や経口ステロイド・入院を抑制するために吸入ステロイド量を倍増させるアクションプランが有効かもしれない。
目的:
遷延性喘息を有する小児および成人の自宅における患者主導アクションプランの一環として、吸入ステロイド薬(ICS)の吸入量を増加させる場合と固定用量で吸入する場合の効果と安全性を比較すること。
方法:
電子データベースから2016年3月までの呼吸器系ジャーナル等を手動で抽出した。自宅マネジメントにおけるICS増加群とICS固定群を比較したランダム化比較試験を選択。2人のレビュアーが試験選択、質評価、データ抽出をおこなった。
結果:
合計8つのランダム化比較試験が同定された(1669人の軽症~中等症の喘息患者)。3つが小児の試験で、5つが成人の試験だった。6つは並行群間試験で、2つはクロスオーバーデザインだった。1つの試験を除いて、すべての試験が6か月~1年のフォローアップだった。研究は、アクションプランとしてICSを固定用量から追加的に上乗せで吸入する群とプラセボを吸入する群を設定。治療失敗(経口ステロイド必要性)のオッズ比はICS上乗せ群で減少しなかった(オッズ比0.89, 95%信頼区間0.68 to 1.18; 参加者1520人; 7試験)。予定外の来院、急遽の来院についても両群で差はみられず、アクションプランにおけるICS増加は有意な効果はないと考えられた。
結論:
現行のエビデンスでは、軽症~中等症の小児~成人の喘息患者において、患者主導アクションプランとしてICSを発作時に増量させる意義はないと考えられた。ICSの増量によって経口ステロイドの使用を減少させる効果(治療失敗抑制効果)はみられなかった。