
Ganesh Raghu, et al.
Effect of Nintedanib in Subgroups of Idiopathic Pulmonary Fibrosis by Diagnostic Criteria
Am J Respir Crit Care Med. First published online 22 Jun 2016 as DOI: 10.1164/rccm.201602-0402OC
背景:
外科的肺生検がなくとも、臨床的にIPFと診断された患者は胸部HRCTで蜂巣肺あるいは牽引性気管支拡張症+網状影があればINPULSIS試験に登録することができた。そのため、これらの試験に参加した患者はdefinite UIP患者およびpossible UIPの大規模なサブグループ患者といえる。
目的:
われわれは、診断サブグループがIPF進行に与える影響を調べ、ニンテダニブの効果を調べた。
方法:
INPULSIS試験のデータを用いて、胸部HRCTで蜂巣肺がある患者または生検でUIP診断が得られたIPF患者(definite UIP)と、それら2つの所見がないIPF患者(possible UIP)を比較した事後解析である。
結果:
723人(68.1%)が蜂巣肺あるいは生検でIPFと診断された患者(definite UIP)、338人(31.9%)が蜂巣肺も生検もなくIPFと診断された患者であった(possible UIP)。これらのサブグループでは、補正年間努力性肺活量減少率はプラセボでそれぞれ-225.7mL/年、-221.0mL/年であった。ニンテダニブとプラセボの間の年間減少率の差はそれぞれ117.0mL/年(95%信頼区間76.3-157.8)、98.9mL/年(95%信頼区間36.4-161.5)であった。サブグループによる治療効果に差はみられなかった。サブグループによる治療交互作用はみられなかった(p=0.8139)。有害事象は両群同等であった。
結論:
臨床プラクティスでIPFと診断された、胸部HRCTで牽引性気管支拡張症を伴う外科的肺生検を受けていないpossible UIP患者は、胸部HRCTで蜂巣肺があり外科的肺生検によってIPFの診断を受けたdefinite UIP患者と同様の進行を遂げ、同様のニンテダニブの効果を有する。