女性COPDにおけるICSは骨粗鬆症の予防効果がある?
2016年 08月 17日

Liu SF, et al.
Inhaled corticosteroids can reduce osteoporosis in female patients with COPD.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2016 Jul 14;11:1607-14.
背景:
COPD患者における吸入ステロイド薬(ICS)が、骨粗鬆症を予防できるかどうかは良くわかっていない。この研究の目的は、女性COPD患者における骨粗鬆症の頻度をICS使用有無ごとに調べることである。
患者および方法:
これは、1997年~2009年のTNHIデータベースを用いて調査された後ろ向きコホート研究である(ICD-9コードを使用)。40歳未満の若年女性患者やすでに骨粗鬆症の既往がある女性患者は除外された。喘息症例も除外した。これらの患者を2011年まで追跡し、骨粗鬆症の発症を調べた。Cox比例ハザード回帰モデルによって肺癌のハザード比も求めた。
結果:
COPD患者10723人が登録され、そのうち812人がICS使用者、9911人がICS非使用者であった。骨粗鬆症の発症は、ICS非使用者で10万人年あたり4395人、ICS使用者で2709人だった(ハザード比0.73、95%信頼区間0.63-084)。年齢などで補正すると、高用量ICSは骨粗鬆症のリスク低下と関連していた(0 mg to ≤20 mg:ハザード比0.84, 95%信頼区間0.69-1.04; >20 mg to ≤60 mg:ハザード比0.78, 95%信頼区間0.59-1.04; >60 mg:ハザード比0.72, 95%信頼区間0.55-0.96)。骨粗鬆症の累積確率はICS使用者で有意に低下した(P<0.001)。
結論:
ICSを使用している女性COPD患者では、骨粗鬆症の用量反応性の予防効果がみられた。
by otowelt
| 2016-08-17 00:54
| 気管支喘息・COPD