AFFIRM COPD試験:アクリジニウム/ホルモテロールはサルメテロール/フルチカゾンより有効

AFFIRM COPD試験:アクリジニウム/ホルモテロールはサルメテロール/フルチカゾンより有効_e0156318_23175684.jpg Duaklir®ジェヌエアの臨床試験です。ACLIFORM COPD試験、AUGMENT COPD試験が有名です。今回はICS/LABAとの比較です。

Claus Vogelmeier, et al.
Efficacy and safety of aclidinium/formoterol versus salmeterol/fluticasone: a phase 3 COPD study
European Respiratory Journal 2016; DOI: 10.1183/13993003.00216-2016


目的:
 中等症~重症の安定期COPD患者におけるアクリジニウム/ホルモテロール1日2回吸入の効果をサルメテロール/フルチカゾンプロピオン酸と比較すること。

方法:
 AFFIRM COPD試験は、24週の二重盲検ダブルダミー比較試験である。患者はランダムに1:1にアクリジニウム/ホルモテロール 400/12μg1日2回(ジェヌエア/プレスエア使用)あるいはサルメテロール/フルチカゾン 50/500μg1日2回(アキュヘイラー使用)に割り付けられた。
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(文献より引用:スタディデザイン)

 プライマリエンドポイントは、24週時点でのピーク1秒量(ベースラインからの変化量)とした。他のエンドポイントとしてTDIスコア、SGRQスコア、CATスコア、COPD症状、COPD急性増悪、リリーバー使用、デバイス嗜好性などを設定した。有害事象についても記録された。

※朝の吸入後2~3時間以内の1秒量最大値

結果: 
 合計933人の患者が登録された(平均年齢63.4歳、65.1%が男性)。アクリジニウム/ホルモテロールは、サルメテロール/フルチカゾンよりも有意にピーク1秒量を改善し、TDIも非劣性を示した。健康ステータスや急性増悪リスクの減少は両群ともに同等であった。治療忍容性は良好で、肺炎はアクリジニウム/ホルモテロール群の方が少なかった。
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(文献より引用:ピーク1秒量)

結論:
 安定期COPD患者において、アクリジニウム/ホルモテロールはサルメテロール/フルチカゾンよりも有意に気管支拡張効果をもたらし、症状コントロールや急性増悪リスクを減少させた。両治療は忍容性が良好であったものの、治療関連有害事象はアクリジニウム/ホルモテロール群の方が少なかった。


by otowelt | 2016-08-08 00:30 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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