抗Jo-1抗体陽性ILD患者の臨床的特徴
2016年 11月 01日

Zamora AC, et al.
Clinical features and outcomes of interstitial lung disease in anti-Jo-1 positive antisynthetase syndrome.
Respir Med. 2016 Sep;118:39-45. doi: 10.1016/j.rmed.2016.07.009. Epub 2016 Jul 16.
背景:
antisynthetase(AS)症候群の筋外所見として間質性肺疾患(ILD)はよくみられる。ILDの頻度は抗Jo-1抗体陽性患者で高いとされている。これらの患者の長期アウトカムデータは不足している。
方法:
15年にのぼって、われわれは抗Jo-1抗体陽性AS症候群およびILDの患者を同定した。患者背景、肺機能検査、胸部HRCT、組織病理学的所見、長期生存を解析した。
結果:
103人の患者が同定された(平均49.2歳、女性70%)。筋所見でよくみられたのは、多発性筋炎(64%)、皮膚筋炎(24%)だった。およそ半数の患者がAS症候群およびILDを6ヶ月以内に診断された。肺機能検査は98%が拘束性換気障害であり、胸部HRCTにおいてNSIPがもっともよくみられたパターンで(52%)、次いでNSIP+OPだった(22%)。39人から生検データが得られた。
10年生存率は68%だった。ILD診断時年齢、性別、努力性肺活量、DLCOで補正すると多変量解析において男性(ハザード比2.60、p=0.04)、発現時のDLCO(ハザード比0.94, p=0.05)が有意に死亡を予測する因子だった。
結論:
ILDを有する抗Jo-1抗体陽性AS症候群の大規模コホートの結果を提示した。生存率は良好であった。
by otowelt
| 2016-11-01 00:11
| びまん性肺疾患