初期評価で蜂巣肺がみられないIPF患者の臨床経過
2016年 11月 25日
外科的肺生検でUIPと診断されている、蜂巣肺がみられないIPFの症例の報告です。非常に興味深いです。
Yamauchi H, et al.
Clinical Course and Changes in High-Resolution Computed Tomography Findings in Patients with Idiopathic Pulmonary Fibrosis without Honeycombing.
PLoS One. 2016 Nov 9;11(11):e0166168. doi: 10.1371/journal.pone.0166168. eCollection 2016.
背景:
IPFの患者の幾人かは、初期評価において胸部HRCTで蜂巣肺を有さない。その臨床経過や胸部HRCTの経時的変化はよく分かっていない。
方法:
われわれは日本各地の登録施設において、初期評価の胸部HRCTで蜂巣肺を有さないIPF患者43人を登録した。すべての患者は外科的肺生検でIPFと診断された。他の疾患を除外すべく、2011~2014年に5回にわたり多面的討論がなされた。IPF患者30人において胸部HRCTの経時的変化を評価した。30人の患者は胸部HRCTを3パターンに分類し、その臨床的特徴や予後を明らかにした。30人のIPF患者は2011年の国際ステートメントに記述されたpossible UIPパターンに相当する。
結果:
長期フォローアップ(71.0±38.7ヶ月)において、蜂巣肺は16人(53%:蜂巣肺群)に出現し、牽引性気管支拡張あるいは蜂巣肺を伴わない嚢胞は12人(40%:非蜂巣肺群)に出現し、2人は変化がみられなかった(7%:変化なし群)。
蜂巣肺群と非蜂巣肺群の平均生存期間は、それぞれ67.1ヶ月、61.2ヶ月であった(p = 0.76)。胸部HRCTで蜂巣肺がないが慢性的に進行するIPF患者が存在した。
結論:
初期評価において蜂巣肺がみられないIPF患者において、フォローアップ中に胸部HRCTで蜂巣肺が出現しても予後には影響がみられないかもしれない。
Yamauchi H, et al.
Clinical Course and Changes in High-Resolution Computed Tomography Findings in Patients with Idiopathic Pulmonary Fibrosis without Honeycombing.
PLoS One. 2016 Nov 9;11(11):e0166168. doi: 10.1371/journal.pone.0166168. eCollection 2016.
背景:
IPFの患者の幾人かは、初期評価において胸部HRCTで蜂巣肺を有さない。その臨床経過や胸部HRCTの経時的変化はよく分かっていない。
方法:
われわれは日本各地の登録施設において、初期評価の胸部HRCTで蜂巣肺を有さないIPF患者43人を登録した。すべての患者は外科的肺生検でIPFと診断された。他の疾患を除外すべく、2011~2014年に5回にわたり多面的討論がなされた。IPF患者30人において胸部HRCTの経時的変化を評価した。30人の患者は胸部HRCTを3パターンに分類し、その臨床的特徴や予後を明らかにした。30人のIPF患者は2011年の国際ステートメントに記述されたpossible UIPパターンに相当する。
結果:
長期フォローアップ(71.0±38.7ヶ月)において、蜂巣肺は16人(53%:蜂巣肺群)に出現し、牽引性気管支拡張あるいは蜂巣肺を伴わない嚢胞は12人(40%:非蜂巣肺群)に出現し、2人は変化がみられなかった(7%:変化なし群)。
蜂巣肺群と非蜂巣肺群の平均生存期間は、それぞれ67.1ヶ月、61.2ヶ月であった(p = 0.76)。胸部HRCTで蜂巣肺がないが慢性的に進行するIPF患者が存在した。
結論:
初期評価において蜂巣肺がみられないIPF患者において、フォローアップ中に胸部HRCTで蜂巣肺が出現しても予後には影響がみられないかもしれない。
by otowelt
| 2016-11-25 00:14
| びまん性肺疾患