
Hiroyuki Mochizuki, et al.
Palivizumab Prophylaxis in Preterm Infants and Subsequent Recurrent Wheezing: 6 Year Follow Up Study.
AJRCCM, Published Online: February 02, 2017
背景:
RSウイルスは、新生児期の反復性喘鳴(recurrent wheezing)だけでなく潜在的なアトピー性喘息にも影響している。
目的:
RSウイルスの重症化を予防するための1歳以前に投与された抗RSウイルスモノクローナル抗体・パリビズマブが、6歳時の反復性喘鳴やアトピー性喘息に影響を与えるかどうか調べること。
方法:
2007年~2008年のRSウイルス感染症のシーズン中、早産児の観察前向き多施設共同症例対照研究(CREW研究:Pediatrics2013; 132: 811-818.)に登録された患児に臨床的にパリビズマブの投与が決定された。小児は6歳まで観察された。新生児のアセスメントが報告された(methodsを読む限り、スマホなどを駆使されている)。
プライマリエンドポイントはアトピー性喘息の罹患率とした。
結果:
444人の早産児が登録され、349人がパリビズマブの投与を受けた。
6歳時において、アトピー性喘息の発症に差はみられなかった(投与群15.3% vs 非投与群18.2%)。一方、医師が診断した再発性喘鳴には有意な差があった(それぞれ15.3% vs 31.6%、p=0.003)。

結論:
早産児に対するパリビズマブ予防投与は、6歳時のアトピー性喘息の発症を抑制しないが、再発性喘鳴を有意に抑制した。
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